家族愛
全体概要
人間の死体と犬の死体がキャンプ場から発見されるという衝撃的な出来事からこの映画は始まります。
え!?感動の作品って有名?
大丈夫です。この作品は裏切ったりしません。この作品は2つの視点から物事が動いていきます。西田敏行さん演じるおとうさんと役所勤めの玉山鉄二さん演じる京介の視点が交差しながら舞台は進んでいきます。
京介は2年前に亡くなったと見られる身元不明の死体の身柄と3ヶ月前に亡くなったと見られる犬の死体に興味を持ち、その身元の特定に乗り出し旅に出て、色々な大切なことを思い出す物語です。
大好きなシーン
実は私はこの作品は浜田マハさんの小説から入り、漫画である原作も読み、映画に臨んだのですが、小説同様に心奪われたのは京介のおじいさんが病床についた愛するおばあさんのために、おばあさんが大好きな花であるひまわりを死ぬまで見ていられるようにと、家の壁を壊しひまわり畑を作るところがとても素敵なシーンです。ひまわりは「あなただけを見つめてる」という花言葉で、おじいさんの愛がそこにも詰まっているように、ひまわりをチョイスされたのではと感じさせられます。
もう1つ心を奪われシーンは京介が子供の頃に飼っていた犬のクロの顔面に相手をするのがめんどくさくなり、ボールを投げ、クロは心の中で「僕何か悪いことしましたか?」という風に感じていると思わせるシーンです。
子供の頃にペットを飼っている時、私もお世話が面倒に感じることがありました。ですが、この作品ではそのめんどくさいと思っている飼い主に対して、動物がそれでも飼い主を愛しているという感動的なシーンがこのシーンで、ペットを飼ったことのある人は誰もが涙するところだと思います。
残念だと感じるところ
私が個人的に残念だと思うのは、小説や漫画にない川島海荷さんの出演でした。この作品はおとうさんやその家族、京介とクロというように、誰かと動物を通して、動物の愛や、愛おしさを感じることのできる作品だと考察できるのですが、川島海荷さんの役は家出をしたお登りさんで、彼女の存在は正直なくてはならないものというよりは、正直なところ視聴者獲得のように感じてしまいました。
ペットは家族
おとうさんは最後力つきるとき、車で旅をしていたのですが、その車の扉を開けてハッピー(おとうさんの犬)を自由にしてあげます。しかし、ハッピーはおとうさんはただ眠っただけでまたいつか目を覚ますと信じ、おとうさんのぶんの食事を取ってきて毎日備えます。このシーンにやはりハッピーのおとうさんに対する愛が強く感じられます。おとうさんがまた遊んでくれると信じるハッピーにとても心打たれました。
ついにハッピーは命が尽きるその時まで、おとうさんのそばを離れませんでした。そのことで、おとうさんの死体とハッピーの死体が亡くなった時期にズレがあるという謎の解明と、一緒に暮らすものは何もかもが家族であり、互いを思い合っているのだと強く感じされられました。
この作品を見た人はきっと飼っているペットに優しくしたくなる。そう思える作品です。
- あなたも感想を書いてみませんか?
- レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。 - 会員登録して感想を書く(無料)