コードギアスのOVA?
その世界観と内容
OVAとして制作された本作ですがコードギアスとタイトリングされていますがその内容や世界観などが大幅に本編とは世界観やその内容が異なっているのですがその内容や制作背景などを考察していきたいと思います。
ストーリーとしてはルルーシュがナナリーに幼いころのようにお話を聞かせるといった内容ですがその内容は題材となった不思議の国のアリスをコードギアス風に改変したという形で描かれているのが本作の特徴であるといえるでしょう。
実際にはOVAというよりかは、二次創作やファンディスクといった形での内容に近いかと思われます。本編である反逆のルルーシュとR2といった物語とは大きく異なるその世界観が個人的には蛇足のような存在となってしまったのではないかと思います。
本編では妹思いの兄、ルルーシュが妹のために世界を変えるといった壮大でR2のラストエピソードでは感動的だけれどナナリーの願いとは違った形での物語の終結という思わず涙してしまうようなそんな感動的な物語からその人気を誇る作品として完成したのでただその物語を描いた魅力あるキャラクター達を埋もれさせるのはもったいないといったことや、単純に続編などの制作を希望する声などが大きかったのが本作を制作することとなったきっかけの一つではないかと思います。
その世界観と本作における世界観が大きく違っているのはOVA作品として一つの物語として描かなければいけなかったのが残念な点であり、本編である「コードギアス」のイメージや世界観を崩してしまいかねないのがファンにとっては怖い点ではないでしょうか。
ただ残念なのがそのアニメーションが主に紙芝居形式で描かれたことで本編のようなアクションシーンはなく、題材とされた不思議の国のアリスが童話という性質から本作のような静止画中心のピクチャードラマ形式がとられたのではないかと思いますが、個人的にはそれならドラマCDという形式でもよかったのではないかと思ってしまいます。
学園祭
私が本作を一通り視聴した感想としては学園祭にある演劇のようなお話だったなという感想でした。
ただコードギアスという作品においてそのキャラクターデザインについては個人的には好きなところであるのでその最大の魅力であるナイトメアが本作では描かれていなかったのが少し残念な点ではありました。ですがその分を取り返さんと言わんばかりの各キャラクターごとの衣装がその不思議の国のアリスのキャラクターたちの特徴をよく捉えていて、好印象でした。
ただ主人公であるところのルルーシュがなぜ帽子屋が適任だと作中で描かれたのにはとても興味深いと思いました。
帽子屋とは不思議の国のアリスでは「気が狂っている」と描かれており作中での時代背景でもある帽子のフェルトの制作過程で水銀による中毒症状によって狂っていると描かれているのが本編反逆のルルーシュにおけるその行動の大胆さやその在り方からキャラクターをあてはめられたのではと思いました。
ですが同様に狂っているとされた三月ウサギがカレンだというのが個人的には印象と少し違うのではないかと思いました。
ただ物語の締めくくりとしてアリスと同様に寝オチという形で描かれたのはそのお話が劇のように創作であると念を押しているようでその表現としては好印象でした。
童話「不思議の国のアリス」
話の主題として童話である不思議の国のアリスが描かれていますがなぜ不思議の国のアリスが起用されたのでしょうか?
個人的には深い意味などはあまりなく、ただ単純にその登場人物の多さからコードギアスにおける主要キャラクターたちのそのキャラクター性をあてはめやすかったというのと主人公として描かれたナナリーを本編の設定より活発に動かせて普段とは違った一面を描きたかったところが大きかったのではないでしょうか?
本編コードギアスでは主人公ルルーシュの行動の原動力としてナナリーの存在が描かれていますがその話の性質上、あまりその背景に触れられなかったのが今回、起用されるに至った原因であると私は思います。
その反面、不思議の国のアリスのような最近はやっているいわゆる「異世界転生モノ」というジャンルというのはその性質からある程度設定が自由でリアルさの追求の必要性が薄れてしまうため、アニメだから、創作だからといった理由で何でもありとなってしまうような風潮はあまり好ましくありません。
その反面、夢があったり造り手や語り手の創造や理想通りに描けるその世界はただ単純に面白さという評価の軸ができるため、結果として面白いかそうでないかに区分できてしまうところが読み手である私たちにとっての利点であります。
不思議の国のアリスという作品は1800年代後半にイギリスの数学者によって描かれた作品ですがそういった作風が現代の日本においてもまた新たに創作という形で描かれているこの業界とはなんとも不思議な縁だなと改めて思いました。
なぜそういった風潮があるのかというと今も昔も人々にとって創作であるところのファンタジーという分野に限らず、求められているものも、好まれているものもあまり変わらないのだなとこうして考察していてもしみじみと思うところがあり、こういった作品と時代の流れとは今後とも紡がれていくと思うとアニメ業界にも期待が持てます。
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