オリジナルなヴィジュアルとアニメーション - らきすた OVAの感想

理解が深まるアニメレビューサイト

アニメレビュー数 2,474件

らきすた OVA

3.503.50
映像
3.50
ストーリー
3.00
キャラクター
4.00
声優
3.50
音楽
3.00
感想数
1
観た人
1

オリジナルなヴィジュアルとアニメーション

3.53.5
映像
3.5
ストーリー
3.0
キャラクター
4.0
声優
3.5
音楽
3.0

目次

人気作品のOVA化

人気のある作品はもれなくOVAやTV未放送版として特典的な意味合いからおまけの話が制作されることがありますが本作も例にもれずOVAという形でファンの期待に応えたということになりますが実際はどういった結果になったのは続編がないことから大まかな予測がついてしまうでしょう。

それも本作はいわゆる試験的な内容となっており、らき☆すた本来の作風は維持しつつも方向性をあえて定めずにらき☆すたの方向性としてどんな作風をファンの方々が望んでいるのかというアンケートのような作品として仕上がったのではないかと感じました。

本来のらき☆すたとしては女子高校生の日常を描いた日常系であり、話の内容も現実でのあるあるやなさそうでありそうなことなどの題材を主とされており、ゆったりと視聴できるそんなゆるい作品ですがOVAとして制作された本作もそんな作品の芯はぶれない程度に少し日常からずらした日常が描かれていました。そんな作風はファンにとっては意見の分かれることだろうと思いますが個人的には違った魅力があり作品として楽しむことができました。

キャラクターデザインについて

アニメ業界では人気のスタジオである京都アニメーションの制作であることもあり、そのキャラクターたちの人気は高く、その京都アニメーション特有の体全体的に丸っこく、頭身的に違和感のないぎりぎりのラインにデフォルメされたデザインがその人気の一端であることは間違いないと思います。

本作は京都アニメーションにとってはその人気のきっかけになった重要な作品でもあることがわかります。同年代に制作された作品として涼宮ハルヒの憂鬱やCLANNAD、少し後にけいおん!などがありますがそのどれも本作と同様なその丸っこく柔らかそうなデザインが人気の一端を担っているのだとわかります。

アニメにおけるデザインとは内容以前に視聴者にとって最初に入ってくる情報であり、現実でも人間の見た目が第一印象のほとんどを決めてしまうと言うように軽視できる項目ではありません。

となればどんなデザインが好まれるのかは断定はできず、実際に人気のある作品から学ぶという方法が効果的で、その作風にデザインをあわせるというのも大切であると思います。

そのデザインについても年代ごとに違いがあり、流行というものもあります。80年代のデザインから90年代、2000年以降の作品ではその技術の発展から一目でわかるようなデザインの遷移がうかがえます。なぜ本作のようなデザインが好まれるのかというとその内容によるところが一番の要因であると思えます。日常系のコメディ作品ではあまりにリアルタッチなキャラクターたちではその世界観を壊しかねなく、その雰囲気を作り出すのには不向きだからです。こういったことから何よりも内容とデザインのバランスやその時代の流行などが大切であるのと同時にどうしたらその作品の魅力を伝えることができるのか、かつ原作からのファンにも受け入れて一つの作品として楽しんでもらえるのかが大切なのですがそのバランスというのがアニメ制作の最も難しい点であると思います。

作品構成について

本OVAでも本編と同じような短編集となっており、全体としての一貫性はないにせよ、きちんとらき☆すたをやっているといった印象でした。

全体的に思わず大丈夫か?と思ってしまうようなネタが各所で使われており、それは本作では大成功となったのではないでしょうか。OVAという形で制作されたので新規の視聴者向けといったよりはもともとのファンの方へとむけたおまけのようなネタは知らない方にとってはよくわからないネタとして終わってしまうところをここでこんなネタを使うんだ!といった予想できないような展開で視聴者を楽しませるというのはOVAでしかできない試みであったと思いました。版権だの著作権だのと騒がれる昨今ですが視聴者からしてみればそんないわゆる大人の都合などは割とどうでもよく、ただ単純に面白いものを楽しみたいということに尽きるのだと思います。

例えばかがみが初音ミクや遠坂凛といった別作品のキャラのコスプレをしていたりだとかこなたが涼宮ハルヒの憂鬱の長門や魔法使いのコスプレをしてわちゃわちゃしているシーンなどは普通に楽しむことができたし、オンラインゲームの話ではそういえば当時はあんなゲームが流行っていたなとしみじみ思いだしたりと楽しめる点は多いと思うのですがあまり評判の良くなかった点もありました。

本編にてラストを飾っていたらっきーちゃんねるですが本作ではあのゆるい感じではなく、実写版という試みはあまりよくなかったのではとおもいました、本家らっきーちゃんねるのあのアニメチックなゆるくもちょっと危なげな展開が個人的には好みだったのですが実写化されたことによりその魅力は半減どころか別のものに変わってしまった気がして残念でした。

多彩なネタから当時、どんな作品などが流行っていたとかも見返してみると思い出すことができるのもまた別の楽しみ方として良いと思います。

あなたも感想を書いてみませんか?
レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。
会員登録して感想を書く(無料)

関連するタグ

らきすた OVAを観た人はこんなアニメも観ています

らきすた OVAが好きな人におすすめのアニメ

ページの先頭へ