現実とは違う世界だからこそ、視聴者に活力を与えてくれる作品でした
海で人が生活しているという設定がステキ!
「凪のあすから」を見始めたきっかけになったのは、視聴する前にあらすじを読んでいて、陸で生活する人と海の中で生活する人がいるという設定に惹かれたことが第一の理由でした。やっぱりアニメには実写では見れないような世界観とか表現ができることが魅力だと思いますし、もともとP.A.WORKSの作品って映像がキレイで好みなので、それだけで視聴は決定しました。ただ、陸の学校に転校してきた主人公・光を含む海の街出身の4人と、陸の学校の生徒たちが対立していったり、主人公が好きな幼馴染のまなかは陸に対して憧れや陸イケメンの紡が気になったりする初期のストーリーは、まぁこの設定としては想像の範囲内の展開だな~とは思っていたのですが、光の姉のあかりが陸で暮らす男性と恋人関係だったことが発覚したあたりから、一気に楽しみになりました(笑)。人生って選択の連続。何かを選択すると、別の道はあきらめなければならないこともたくさんあります。この後のストーリーや他のキャラクターでも同じように選択を迫られるシーンが凪あすはたくさん出てくるのですが、陸で暮らす人と海で暮らす人がいるという、相反する魅力的な街が存在する設定が、視聴者にとって人生を考えさせてくれたりとか、自分が今いる場所で何かを選択する一歩になったりとかするところがあり、メッセージ性を含ませられる意味のある設定のように思いました。また、海でも陸と同じように生活できるエナっていう設定もいいですね。皮膚なので見た目も変わらないですし、光たちのように海の街で生活してみたいなって素直に思いました。
1クール目ラストで大激変! 2クール目からは一番楽しみな作品になっていました!
もちろん1クール目の頃からそれなりに面白かったのですが、当時このクールで私的に凪あすはトップの作品ではなかったんです。ただ2クール目から一気に違う作品なのではと思うほど面白さが増し、このクールでダントツで一番好きな作品になりました! 1クール目の最後でちさきだけが陸に残り、光、まなか、要が海に沈んでしまうという衝撃のラストで終了! そして2クール目はその事件から5年経っていて、ちさき以外の海の人たちは冬眠していて……。いや、よく数年後的な作品はありますが、今まで平和なストーリー展開だっただけに、この後の展開が本当に読めないし、こんなに衝撃を受けた作品はなかったです。冬眠から目覚めても年齢も変わってしまっているし、陸に残ったちさきも冬眠から覚めた光も、変わったとか変わっていないとか、お互いそりゃ気にしますよね。私も学生の頃に仲良かった友達と久々に会った時に、自分と置かれた状況が違っていると、昔と変わったなとか、話が合わなくなったって思うことがあると思うんですけど、ただそこでどう今後の友人関係を思うかということが築いてきた友情の深さだったり、今置かれている自分の人間関係の重要さに気づくきっかけになったりするわけで。でも光は自分だけ変わってしまったことを悩むちさきに「お前、全然変わっていないな」って笑顔で言って、ツッコミを入れるちさきのシーンは本当にいい幼馴染の関係なんだなと思えて羨ましく思ったし、大人になってみているアニメだからこそ、グッとくる部分がある作品だと思いました。
七角形関係! 究極の恋愛ストーリー!
1クール目から恋愛の要素はたくさんありましたが、やっぱり海の街の冬眠は本当に人間関係を大きく狂わせた出来事だったんだなというのは、恋愛関係で言うと改めて思います。2クール目からは美海やさゆもメインキャラに加わってきて、光たちと同じ年になっていますからね。男3と女4なので誰と誰がくっつくのか最後までわかんないですし、カップリングを妄想しながら視聴するのも凪あすの醍醐味です。ちなみに私が好きなカップルはちさき&紡! 一緒に暮らしてきたからこその老夫婦のようにわかりあっている関係。理想ですね! 特に、ちさきがむしゃくしゃしていて未成年なのに梅酒を飲もうとして、紡が酔わないように梅ジュースを与えるのとか、本当に紡はいつもちさきを思っているんだなと羨ましい……(笑)。そして紡が長い片思いからちさきに、海みたいな人だからと言って告白するシーン。恋愛ストーリーのアニメで告白のシーンってたくさんありますが、自分の大好きな海に例えて告白してくれるなんて、こんなに言われて嬉しい告白はないと思いますし、グッとくる言葉がたくさんある作品ですが、その中でもセリフとして素敵すぎて鳥肌が立ちました。また、最後に冬眠から覚めたまなかが愛を失った状態であることは、凪あすのストーリーですごく意味があったと思います。まなかが愛を失っていることで、自分の気持ちを伝えたいと思ったり、相手を思うからこそセーブしたいと思ったり、愛がないことがどんなに寂しいかということだったり。現実ではありえない凪あすの設定だからこそ、視聴者に色々考えさせてくれる作品にさせてくれるんだなと思いました。
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