わりと好きな雰囲気だったが広がらない話だった - ドットインベーダーの感想

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ドットインベーダー

3.503.50
画力
4.25
ストーリー
2.50
キャラクター
3.00
設定
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演出
2.75
感想数
2
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わりと好きな雰囲気だったが広がらない話だった

3.53.5
画力
4.0
ストーリー
2.5
キャラクター
3.0
設定
3.5
演出
2.5

目次

ラブコメよりもギャグ路線

SFラブコメであると謳っていますが、SFって感じじゃないです。SFって聞くとちょっとシリアスな展開も想像してしまうものですが、毎回どうしようもなくふざけているので、ギャグ漫画として楽しんでいましたね。

舞台はおんぼろの町工場。そこの息子であるトビはとても優しく真面目で律儀。傾きかけている会社を立て直そうと手伝いに取り組んだり、学校でもクラス委員として取り仕切ったり。チャラそうな見た目とは裏腹にとても真面目な奴です。そんなトビの幼なじみであるそら。ひそかにトビに恋心を抱いています。平穏な日常が過ぎていく中で、突如としてそらがインベーダーに襲われ、敵から放たれたビームが直撃し、レゴブロックのような形に変身を遂げた…!これはいったい何の病気?時間が経つと変身が戻る…そしていきなりレゴブロック化する!調べていくうちに、トビは実はおんぼろ町工場がインベーダー対策の支部になっており、日夜研究や駆除のために活動をしていたと知る。そして13年前に起きたある事件から、人間に協力的なインベーダーの力をかりれるようになったということを。そして今まさにその力が再び必要であることを…。

なかなか楽しいスタートをきりました。2歳のころのトビに対して性的欲求をぶつけまくっていたはぐれの姿を見る限り、これは間違いなく下ネタだらけの作品になることだろうとは予測していました。それでも、敵も明確な感じだし、さほどものすごい危険があるというわけでもなさそうで、終始明るい感じ。はぐれの生態も謎めかせていたので、ワクワク感があったと思います。ミステリアス展開を期待していた人にとってはかなり残念な仕上がりかもしれません。

男の子の性欲を少しだけ刺激する展開

常にはぐれはトビの下半身を狙っています。はぐれは、種の存続のために繁殖することを求めているわけで、かなりのしつこさ。もういい加減にうるさいから、トビ、少しくらい譲ってあげてもいいんじゃない?と思うくらい、毎日要求をしています。愛だの恋だの理解してない、というか理解することは必要のない生命体といったところでしょうか。ただ種の繁栄さえあれば、プログラムされた目標を達成できて大満足!というはぐれのスタンス。ただ、はぐれがそんなにナイスバディではないということ、「女」と「男」ということを全然わかってはいなくて、ただ求めているってあたりはかわいいなーと思ってしまいましたね。たぶん、行為自体の理解もなさそう…?少し腐女子的目線にはなるのですが、ガンガン攻めまくっていたはぐれが、いつ受け身に回ってくれるのかっていう淡い期待をずっとさせられました。今か今かと待ちましたよ。でも2巻という短さのためか、全然おもしろいことは起こりませんでしたね…残念。

毎回インベーダーと戦う時に、はぐれとドッキングしなければならないトビですが、エネルギー源が性欲になっているらしく、どうも戦いづらい。だいたい戦わなければならないときはそらを守るときですからね。本気って…出してもいいもの…?笑 手に持ってる剣にその反応が出てしまうあたり、うまく明言は避けつつもほとんど答えを言ってしまっているような。トビ、なんてかわいそうなんだ。

それとは別で、はぐれのことがずっと好きで、ずっと探し回っていた男の子インベーダーに怯えるはぐれを見ることができました。ツンデレ通り越して、ただのモラハラになっているのに、それに気づいていない残念さと、誰もそれを教えてあげない怖さがあります…。

幼なじみラブを阻止するウイルスがくだらない

それにしても、ウイルスによってレゴブロック状態にされてしまったそらは、最後まで報われませんでしたね。結局トビにムラムラすればブロック化してしまって何も解決されていない…!どう見てもお互いに想いあっている感じなのに、それを発動したらレゴブロックになって振り出し。そして今助けてやるー!!とまじめすぎるトビ…そんなところも愛しいなと思います。

ラブな気持ちになったらレゴブロックになる。なんともくだらない、微笑ましいウイルス。そらちゃんごめんなさい。だから全体として大人たちも大して真面目に活動していないんじゃないのかなと…ウイルスにもいろいろ種類はある様子ですが、なんかこう…もっとおもしろいものが欲しかったですね。終始それしかなくて、発生するイベントも怖くもなければでかくもなく、日常生活の中にすっかり溶け込んでしまっていました。銀魂みたいにところどころでシリアス感動展開が起こるかなーとも予想していたのですが、全然ありませんでした。もはやギャグの領域。これ以上広がらないなって思ったので打ち切りになってしまったんじゃないでしょうか。

名もなきツンデレとはぐれの世界とは

朝霧さんと協力しているはぐれのお友達。イタイ子でした。あの言葉の表現の仕方だと、間違いなくいじめで、絶対に好意ではない。一字一句、どの言葉尻にも愛が入ってないため、完璧なる翻訳がなければだれも理解できないという…ここは楽しかったですね。できれば、はぐれ、そら、朝霧さん、そしてこの男の子と、全員がトビを狙ってほしかったんですが…そうはうまくいきませんね。フォルムがかわいくてついつい願望が出てしまう…笑

ここで、はぐれたちのマザーの意思、インベーダーとしての役割、はぐれが盾にされた話などなど…いろいろな伏線が出てきて、お、それなりに謎が深まってきたか?という雰囲気が出てよかったですよね。どれだけ発展を遂げた世界であっても、種・生命体の存続という点ではどこも苦労しているだろうか…なんて想像もめぐりました。細胞分裂で簡単にクローンが生み出せればいいのにね。ずっと一生若くてずっと一生そのまま、知識だけが蓄積されて…無理か。死んじゃったら一貫の終わりになりそう。…やっぱり生きているって大変だなー…。SF系ってそういうの考えてしまう。

わりとおもしろかったけど打ち切り

なんではぐれはトビを求めるのか、13年前にいったいどういった経緯で人間側に協力することになったのか、全部答えは曖昧のまま、ドタバタコメディを繰り広げて終わっていってしまったので、何とも消化不良です。全体として絵はかわいい系だったし、小学生でも十分理解できる、簡単なお話だったんですけどね~腐女子的な目線で何かが起こらないかと期待もさせてくれていただけに、残念でした。

実は養子だったというトビ。そこから考えると、トビが実は地球人ではなくて、はぐれたちと同じような立ち位置にある人物だから、はぐれが異常にトビを求めるとか…?地球人とのハーフとか。父親が絶対に何かを知っていましたよね。他に男は30億人以上いるのに、なんでトビなんだよってことを説明しようとすると、ぴったりハマる理由なんじゃないかなって気がするんですよね~答えはもう分からないので、想像です。

個人的には、「インベーダー」ってがっつり言っちゃっているのって、著作権大丈夫かなとか、あまり下ネタの度が過ぎても嫌になるなとか、余計なところでたくさん余計な心配をしましたね。はぐれとそらを比べると、そらが一番かわいいなと思いました。目の大きさとか、好みだっていう人多いんじゃないでしょうか。はぐれは〇っちょみたいなインベーダーになれるのですが、人気が続いてたらマスコット的存在になったでしょうね。キャラクター的にこういう変身のできるタイプは、女の子より男の子のほうが需要がある気がしてるので、そこもヒットしなかった原因かなと思います。

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おもしろくなりそうなところで広がらずに終わった

ラブが雑に扱われているうたい文句は「SFラブコメ」であるが、SFってどこからどこまでを言うのやら…まじめな展開はほとんどなく、一生懸命に頑張っているのは主人公のトビくらいなもの。あとはギャグ漫画一直線で、オトナも子どももみんな銀魂臭がする奴らである。おんぼろ町工場の息子であるトビは、誰にでも優しいイケメン。身も心も清い真面目なイケメンである。会社がつぶれそうなのをわかっており、それを建て直そうと手伝いに励んでいるのがまた健気。学校でもクラス委員であり、爽やかな奴である。トビに恋する幼なじみのそらはかわいいギャル。目がくりっとしておりマジタイプ。そんな2人のもとに、事件は突如として起こる。よくわからないが、突然インベーダーが出てきてそらをビームで攻撃。そらはレゴブロックになってしまった…全然怖くない。おもしろくない。しかも、時間が経つと変身はとけると判明。いったい何なんだろうこのレゴ化…。つ...この感想を読む

3.53.5
  • kiokutokiokuto
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