マテリアルパズルの「真の敵」とは。 - マテリアル・パズルの感想

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マテリアル・パズル

4.254.25
画力
2.00
ストーリー
4.75
キャラクター
4.25
設定
5.00
演出
4.50
感想数
2
読んだ人
2

マテリアルパズルの「真の敵」とは。

4.04.0
画力
1.0
ストーリー
4.5
キャラクター
4.0
設定
5.0
演出
4.0

目次

アダラパタの目的とは何なのか?

最初の方はただの悪役…むしろ少し子悪党を思わせる言動をしていた人物ですが、その実「グリ・ムリ・ア」を女神に仕立て上げた張本人でもあります。言ってしまえば主人公と対峙する側のすべての元凶ともいえる人間ですが、一体彼の目的は何なのでしょうか。実力で言えば非常に強いものではありますがその上などたくさんいますし、チョーよりも下に見えます。彼が強いのは魔法の力ではなく、あくまで「人を操る力」なのです。自分は強いと自負しているチョーですら、彼に息子と会えるいう人質をとられています。ただの狂人や愉快犯とも書かれることもありますが、そうは見えないのですよね。

主人公サイドからしたらただの悪人でそれは変わらないとは思いますし、女神のことも下に見ているような発言が見られます。そのことから真の女神サイドのリーダーは彼だと思うのですが、魂を操られるように見えない女神サイドの上位に位置する人間たちが、「なぜアダラパタのいう事を聞いているのか」というところも一つの謎です。彼がこの団体を操っていると気づいていないはずがないのですが…。つまり「上層部の人間が認める実力者(おそらく参謀的な意味で)」であるか、「上層部の人間の方針と同じなので舵取りを任されている」。もしくは「どうでもいいと思っている(他に目的があるからむしろ利用している)」のかもしれませんね。ただ、「お前たちの真の敵は他の世界からきた侵略者でもなく、100年前生き残った魔法使いでもなく(三大神器のこと?)でもなく、今この時代が生み出した人間(おそらくアダラパタ)なのかもしれんな」という発言を聞くと、「うまく真の目的を隠して隠れている、参謀役を演じている」のかと思いますが。

不老不死でもない彼が幼いころにグリ・ムリ・アをかどわかしたのは、明確な目的が既に七歳の時点であったと思われます。彼も何らかの運命を背負って生まれてきたと思われるのですが、果たして「星の存在変換」が彼の目的なのでしょうか。彼が作りたい世界、もしくはその先に目的があるのかもしれません。

三十指には替わりがいる?

19巻にて気になる発言が出てきました。「キル兄弟」と「エル・ボーイ」です。これらは「太陽丸月丸兄弟」と「ジール・ボーイ」と名前が似ていますね。また、「俺達(兄弟)の仕事はキル兄弟が引き継ぐであろう」という、とても名前が似ているのが偶然とは思えない発言をしています。兄弟はわかりませんが、エル・ボーイはジール・ボーイの兄ですね。キルについては黒髪ロングの一人称が「俺」ということしか発覚していませんし、今の時点だと血縁関係などはないまったくの新キャラだとは思いますが。なんにせよ、名前が似ているキャラクターに名前が似ていたキャラクターの役目やそのキャラクターを倒す役割が与えられていることから、「三十指」には替わりを見つけていることが示唆されます。

元々、女神陣営は任務に失敗した者や敗北した者は殺して魔法を奪う傾向にありました。それを与えて代わりにしていると思われるのですが、何か「30」という数字にこだわりがあるのか、もしくは「思い描いている道筋がある」のではないかと思います。もともと計算高いキャラクターですし、単に語られていたように大地のエネルギーを吸い取るためかもしれませんが。ただそうなると、「兄弟」はまだ魔法を使えている状態にもかかわらず、替わりが見つけられているので、やはり何らかの関連性があるのかもしれません。「兄弟」というコマでないとできないことなど。予想と違っても「面白い…!」と笑ってしまうアダラパタなので、道筋が違ったとしても喜んでしまいそうですがね…。難にせよいくら倒しても永久機関のように増え続けていると思うと、恐ろしいことです。

五大石の本来の力のありかたとは

もう一つ気になるのが、五大石の存在です。「すべてそろえると大魔王と同等の力を持つ」という石ですが、大魔王と呼ばれている「デュデュマ」は星を守るためのシステムだということが判明していますね。そのことから女神たちは五大石を集めてシステムの力を抑えつけ、星のたまごを思い通りに使おうとしていると思われます。

しかしそうなると、大地の力を吸い取る、デュデュマと同等の力を持つ五大石でデュデュマを抑えつける、しかもデュデュマと同等の力を持つクードラドールの星の分身であるクゥもいる…いろいろと条件は揃って居るのに、あまりに厳重過ぎると思います。それだけ慎重なのかもしれませんが、クゥは一度デュデュマを倒していますしね。

もしかしたら五大石にはまだ隠された「本当の魔王を倒す力」があるのではないかと思っています。「魔王の骨」という単語も気になります。実は本当の魔王がいて、その魔王の力を抑えつけることが五大石に秘められているのではという考察です。そしてもしもそれが困ってティトォたちに渡したくないのだと考えると、収集している理由もわかります。五大石は精霊化したときにそもそもデュデュマの代わりに~とどちらかというとそちらサイドの話をしていましたから、魔王の骨が今後どう動いていくか注目していきたいです。

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