魔法使いたちのバトルスーリー「マテリアル・パズル」
3人の不老不死の魔法使いと、1人の少年の王道魔法冒険ストーリー
約100年前に起きた惨劇。その惨劇を起こしたのは自分たちである。
そう言い、自分たちを罪人と呼び、不老不死となり生き続ける3人と、現在の田舎育ちで正義感が強く仲間想いの1人の少年が、魔法を中心に、惨劇の真実を解きながら闘う超王道ストーリー。
設定だけ、聞くだけでは、王道ストーリーに感じます。
しかし、「土塚理弘」節はそんな単調なストーリーになんかさせません。
思わず読み進める面白さ!それは・・・
多くの伏線・どんでん返し
まず初めから読者に伝えられている、魔法使いティトォによる独白の「伝承」。
この話を真実と受け止めたまま読み進めると、2章からの真実に驚きます。
まさに、王道。しかし、見せ方がウマイ。
「本人が言うのだから、真実だろう」と受け止めてしまいますし、周りもそう発言していくために、読者もそれが真実だと受け止めるしかありません。
しかし、2章から
「その伝承は違う」
と疑い、真実を明かしに来ます。(是非、本編を読んでほしい)
こんなものはたった1つでしかないポイントです。
多くの伏線、よく練られたストーリー、キャラクターたち。
長編ではありますが、きっちりと各章、目的と終点を持って進むのでダレることなく読み進められます。
誰一人要らないキャラは居ない、個性的なキャラクターたち
ストーリーばかりじゃありません。どのキャラクターたちも必須キャラであります。
不老不死であり、3人で1体を共有する【魔法使いの】「ティトォ」「アクア」「プリセラ」。
田舎育ち、ただ村の護衛をしてみている、脚力が強い普通の少年「ミカゼ」。
メインキャラクターだけでも、こんなに差がありますが、すべてのキャラクターが必要で、きちんと成長していきます。
ただ筋肉だけがモリモリのお馬鹿キャラ「ドルチル」。
冴えない中年お父さんおっさんキャラ「チョー」。
これだけじゃ「ただの人数合わせかよ」と思いますが、そんなキャラクターたちはちゃんと「生きてます」。誰も不必要ではありません!!
(お笑い要素前回のピィゲルとかはいますが・・・(笑))
キャラクター1人1人をしっかり見る楽しみがあります。
ギャグ要素盛り込み
土塚理弘先生の他の作品を読んだことがある人はわかる、土塚理弘節ギャグも盛り込んでいます。
敵が出てくるだろうところからネコがニャーーーーー!!!
なぁんてよくあること。
あのシリアス緊張感を突然ぶち壊して気を緩めてから、一気にぶちかます
そんなメリハリと読みごたえをつくる必要ギャグに癒されます。
画力より魅力あるストーリー
はっきり言って絵は上手な方ではありません。(上手くなっていきますが)
しかし、そんなことよりも
不老不死の彼らがなぜ闘うのか、惨劇はなんだったのか、「女神」とは、少年ミカゼの成長とは
とにかく気になるストーリー展開です!
- あなたも感想を書いてみませんか?
- レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。 - 会員登録して感想を書く(無料)