青春を感じられる小説です。
登場人物が普通だけど素敵
この小説に出てくる登場人物が、どこにでもいそうな人達。主人公の新二も、努力しているのにサッカーではなかなかその努力が報われることがなく、天才肌の兄に劣等感を持っていたにも関わらず、新たに始めた陸上でも連という高い壁を常に感じながら腐る事なく努力を重ねていく姿は、自分の子供達にも見習って欲しいと思いました。その連も、陸上以外はホントにダメダメな子で笑。陸上部の面々も、一癖も二癖もあるけどみんな愛すべきキャラクターを持っていて何より悪意のある人物が1人もいないことが読んでいて気持ちよかったです。新二の家族や連のおばあちゃんなど、周りで見守っている人達にも好感が持てました。
初心者でも分かりやすい
新二が陸上初心者なので、読者も新二と一緒に陸上の事を学んでいけました。そもそも、4継、という言い方はこの本を読むまで知りませんでした。息子が中学から陸上を始めたので、少しでも知識を...と思って陸上の本なども読んだのですが、この小説が一番分かりやすかったです。主人公と同じ目線で陸上にハマっていくことができました。おかげで、息子達の大会を見に行っても、テレビで大会を観てもとても楽しむことができました。
青春のキラキラ感
どこにでもある普通の高校で、普通の高校生達が青春を送ってるだけなのですが、それが大人になってしまった私には眩しすぎるほどキラキラしていました。悩んだり、誰かを羨ましく思ったり、妬んだり...。はたまた気になる異性が現れたり、と、ああそんな事あったな、いろんな事が辛かったり悲しかったりもしたけど、毎日が愛おしい日々だったな、と思い出させてくれました。登場人物の中に、少しでも自分と重ねられる人がいて、一緒にもう一度青春時代を過ごせたような気もします。16〜18歳の、大人になる最後のかけがえないひと時を、これから迎えるであろう中学生にも読んで感じてもらいたいです。
この後も楽しみ
これから2,3年生になって新二はどれだけ成長できるのか、ライバル達に勝つ日は来るのか、何より連と本当の意味で(タイム的に)ライバルになれるのか、などなど、先を読むのが楽しみです。きっとスランプに陥ったり、挫折しそうになったりするんでしょうし、技術が上がれば、また別の悩みも出てくるんでしょうね。 また、陸上は短距離だけではありません。長距離や駅伝、跳躍などなど、より陸上の世界を主人公達と一緒に楽しめたら良いなあと思います。
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