この映画の素晴らしさ
アメコミが大好きな私は映画バッドマンをティムバートンが監督をしていた頃からさかのぼって鑑賞しています。その中でも個人的に素晴らしい映画だと思ったのはクリストファーノーランが監督をしたダークナイトビギンズ、ダークナイト、ダークナイトライジングの3部作です。特にクリストファーノーランが2部作目に発表したダークナイトは最高傑作と言えます。そして最終章として発表したダークナイトライジングはいい意味で期待を裏切りました。
人間味溢れる主人公
アミコミは一言で言えばなんでもありです。主人公はだいたい類稀な能力がもともと備わっており強いのが当たり前なヒーローばかりです。そんな非現実的な部分も時には面白いのですがマンネリ化してしまいます。今作の主人公であるブルースウェインは大富豪ではありますが1人の人間なのです。戦いを終えれば体に傷が付きますし痛みます。そして年齢と共に美しい肉体は衰えてきます。それでも僕が守らないで誰がこの街を守るのかとばかりに街の平和を取り戻そうと必死に悪と戦うバッドマンがいるのです。ですが正体を明かさないが為に反社会的存在になりバッドマンへの風当たりが悪くなる一方に。ジレンマに1人苦しむバッドマンを見ていると心が痛みます。表舞台から突然消えひっそりと生活するバッドマンが平和の為にもう一度戦おうとする様子が見てとれます。今作では絶望感に苛まれても何度も立ち上がろうと必死に這い上がるバッドマンに涙してしまいます。
映像技術のクオリティの高さ
ティムバートンの時代のバッドマンは少し面白い劇のような映画でした。子供でも観れるような内容で幼稚でありドラマティックな部分は0だったのです。ですがクリストファーノーランに変わってからのバッドマンシリーズはこちらを刺激する迫力あるシーンが目白押しです。撮影はスタジオを使用していたりCGをふんだんに使っていても全てがリアリティ溢れます。実際にものすごい数のエキストラが使われた乱闘シーンは臨場感たっぷりで見ものです。バッドマンがなんなく乗りこなしている車やバイクもすごくカッコよくてまるでダークナイトライジングの為だけの世界があるような内容なので違った角度からも楽しめます。戦闘シーン、フットボールコートの爆破シーンなにをとっても最終章にふさわしい迫力ある演出に終始圧倒されるのです。
164分の長さを感じないストーリー
これまでのバッドマンとは違いより現実味が増しフィクションではありますがノンフィクションのようなリアリティがありより映画に入り込む事が出来ます。悪役であるベインは誰も歯が立たない程強くバッドマンを殺そうと思えばいつでも殺せるわけです。それでも這いつくばってでも戦いを終わらそうというバッドマンとベインの戦いが続きます。今までの悪役はただ悪いだけでしたがベントは悲しい過去を抱えており単純に憎むべきストーリーとはなっていません。ただただベインは1人の女性を深く愛してしまったからなのですから。本当にベインといいバッドマンといい切なく胸を締め付けるシーンが多いです。やり場のない怒りや絶望感を1人抱えたバッドマンの最後の決断はやはり何度見ても飽きません。ボロボロになった体を自ら期待上げて仕上げていく様子は映画上のお話だといえど圧巻です。
登場人物のキャラクター
今回新しく登場したのがアンハサウェイふんするキャットウーマンでしたが登場する前はどうせしっくりこないだろうなと正直思っていました。ですが私が思い描いていたキャットウーマンにぴったりでした。セックスシンボルすぎず清潔感がありカッコいいイメージそのままに登場してくれます。頭の回転が速いのでバッドマンもタジタジになるところが仕事の出来る強い女といった感じでぴったりでした。そして予告からとても気になっていた悪役ベインです。プロレスラーのようなムキムキな筋肉と顔を隠す大きなマスクが特徴。半端ではない強さと頭の良さで無敵のように思うのですが顔を隠すマスクの意味を知ると大きな弱点が見つかるわけです。そんな悪役っているのだろうか?と思うのですが外見のインパクトは絶大です。
次回作への期待感
ラストにおいて今までバッドマンへの風当たりが悪かった市民がバッドマンの銅像を立てています。バッドマンがどれほど街の為に貢献したのかが伝わったシーンだと言えます。前作であるダークナイトではデントがヒーローとされていましたからこれでハッピーエンドと思えます。ですが忘れてはいけないのはバッドマンにラストに未来を託されたであろう相手がいるのです。それが若き警官です。マンガの原作通り警官がロビン役になりバッドマンとして街の平和を守っていくのかそれともこのまま終わってしまうのか。なにやら意味深な終わり方だったので気になるのですがやはりバッドマンはブルースウェインであるクリスチャンベールで見たいと願うばかりです。
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