ノーラン監督の最高傑作
ノーラン監督の才能
この映画の監督であるクリストファーノーランは「バットマンシリーズ」のほかにも、「メメント」や「インセプション」といった映画界に衝撃を与える作品を作り続けてきました。人によっては、「インターステラー」を映画館で観てその画力に口がふさがらなかったという人もいるのではないでしょうか(私もそのうちのひとりです。)SFを扱うことの多いノーランの映画の魅力はなんといっても最後の最後にくる「どんでん返し」です。このダークナイトライジングでも最後にとっておきの「どんでん返し」が待っています。
バットマン×ノーラン
そもそも、ダークナイトライジングは「バットマンビギンズ」、「ダークナイト」に次ぐノーラン監督のバットマン3作品目でした。特に、ダークナイト公開前はジャックニコルソンのジョーカーは絶対に超えられない壁だと言われていました。しかしながら、ダークナイト公開後、全世界中でノーラン監督のジョーカーが最高傑作であるとうたわれるようになったのです。このとき、ジョーカーを演じたヒース・レジャーはその後28歳の若さで急性薬物中毒により亡くなってしまい、ダークナイトライジングには出てきません。ただ、彼のおかげもあって、ダークナイトライジングが最高の前評判の元で、公開されるに至ったことは間違いないのです。
正義と悪の葛藤
90年代のアメコミ映画は「正義VS悪」の二項対立で語られることがほとんどしたが、最近の流行は「正義とは何か」、「悪を生み出した背景は何か」といった哲学的な問いがなされることであると言えます。今回もベイル(マスクの敵)やミランダテイト(ウェインの会社にいた敵の親玉)の過去が出てくると必ずしもそれが悪だと言い切ることが難しいと感じることができると思います。実際の世界でも、犯罪者のほとんどが悲惨な過去を持っていることが分かっているように、生まれながらのサイコパスは少ないという考えが反映されています。
おまえがロビンだったのか!!
日本では「500日のサマー」の主演で有名なジョゼフ・ゴードンが警察役で出てきますね。近年の彼の俳優としての活躍と、映画序盤からの異様なフィーチャーのされかたを見ると、彼が重要な人物なのだという予測は容易にできると思います。ただ、彼がバットマンシリーズの重要キャラクターであるロビンマスクだったと予測できた人がいたでしょうか。最後にバットマンとキャットウーマンがカフェでお茶をしているという伏線回収を予測できた人がいても、まさか彼がロビンマスクであると予測できた人は少ないと思います。そうです、これがクリストファーノーラン名物「大どんでん返し」なのです。
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