改めて観たらわりと謎設定のコメディー映画
これは”コメディー映画”でいいんですよね?
昔から大好きな映画のうちのひとつ。
今までわりとテレビのロードショーで何回もやっていた映画ですが、たまたま「星の王子様」(小説)を紹介したテレビ番組をみていたときに、旦那がこの似たようなタイトルの映画を観たことないということだったので、久しぶりにレンタルして鑑賞しました。
本編が始まって数分、お城の様子や日常の流れが続き・・・「これはコメディーなの?」と聞かれてハッとしました。私はてっきり楽しいコメディー映画だとずっと思っていたのですが、この映画はわりとアメリカ映画にある”ドカンドカン”とした笑いを起こさせるタイプではなく、合間合間に”クスクス”させるタイプのコメディー映画だったので、実は分類がしにくい映画であり、人によっては、”ドラマ”か、”ラブロマンス”だったのです!
(旦那は恋愛映画は大嫌いなのでこの時点で最後まで鑑賞できないんじゃないかとハラハラです・・・)
今改めて観るとわりと謎設定が多いし、時代を感じる。
驚いたことに、毎回何も考えないで鑑賞してたことがわかりました(笑)
気になった点いくつか
- アフリカとアメリカの物価の違いが感じられない謎設定。
物価がアメリカより実は高いのか?と思わせる程の財力ぶり。ニューヨークに来たとき、一流ホテルを貸しきっているかのような印象も受けました。 - お父さん(国王)の仕事が全く謎。
あのジャングルと街の様子からすると資源大国なのでしょうか?全く栄えていない国の様子からすると、国の儲けはすべて懐に入れてそうです。(アキームが国王になったら、庶民の暮らしは良くなっていきそうですが・・・) - 昔からの慣習という謎設定。
お父さんは「昔からの慣習」にとりつかれてる様子でしたが、西洋式の調度品や文化がわりと多く見受けられます。うーん。いいなずけなどの風習以外の生活面においては、日本の文明開化みたいにそんなに歴史が古くはなさそうな印象。まあ、映画バブルの時代の作品だし架空の国なので、そこまで時代背景は考えてないのだとは思いますが・・・。 - 閉鎖的&古典的な日常を過ごしてきたはずのお母さんは意外とまとも
- 世間的には弱小ファーストフード店なのに、掃除係に2人も同時に雇えるなんて、わりと資金力がある会社なのかな・・・。学生だからって激安の賃金なのかしら?
- 大学生ということでしたが、フルタイムで働いてる?⇒あ、これは調べたらアメリカの大学にも冬休みあるみたいなので、その期間の設定なんだと思います。
- パーティーからとんとん拍子にハッピーエンドにまっしぐら。元々のお相手が居たのに好意を感じてから初キッスまで数日?プロポーズまで1週間くらい?の電撃交際?
設定じゃないけど・・・
国王がリサの自宅に押しかけリビングに到着したとき、お花を撒き忘れてました。(間に合わなかっただけかな?)
また、別の視点になりますが・・・
映画へのお金のかけ方が尋常じゃない、コメディー映画によくこまあこれだけ金をかけたものだと感心しました。(セット、衣装、ダンサーなど。ハリウッド全盛期ということでしょうか。)
あと、原題との違い
邦題:星の王子ニューヨークへ行く
原題:Coming to America
おかしなタイトルにわざわざ付け替える「邦題」という悪習がありますが、この映画についてはなかなか気持ちを高揚させる良い邦題なんじゃないかなと思います。今時代では却下になりそうなタイトルではありますが、配給会社に「星の王子様」を好きな人が居たんでしょうね。
今まではクスクスしながらただ観てただけだったのに、今回は細かいことがたくさん気になってしまいました(笑)これも歳をとったということですね・・・。
謎の男セミ
物語のオープニングからエンディングまで終始登場する彼ですが、具体的な紹介が無いのでしばらく謎状態が続きます。
設定では国王の友人のようなのですが、それにしても態度がでかい男です。
旦那は「何者コイツ?」と、私はもう何度も映画を見ているのでなんとも思わないのですが、具体的な紹介シーンが無いので、あいつは家臣なのか?友人なのか?無作法なセミに多少の苛立ちを感じている様子でした(笑)
最後まで立ち位置不明なままで終わりますが、彼の存在によって、アキームの精神的な生い立ちの裏付けが想像できますし、アキーム自体のジェントルマンぶりが冴え渡ると思われます。
ジェントルマンアキーム
自分の身支度も自分でしてはいけない超世間知らずの箱入り息子のアキームですが、リサの実家を訪れたときも、家が簡素だとか余計なことは一切言わないジェントルマンぶりを発揮しました。
家臣とは思えない自由奔放な様子をみせるセミの影響(反面教師や世間は広いんだという漠然とした感覚)により、アキームは世の中に対するまともな感性を持つようになったんじゃないかなと感じました。
良い子です。
床屋のシーンとキリスト教の集会のシーンが長すぎると苦情を旦那から受けましたが、鑑賞後に複数の役をやっていたことを教えると、「えーー?」と文句を言いつつ問題のシーンを何回も見直しし、また、旦那の大好きなサミュエル・L・ジャクソンがまさかの強盗で出演したりしましたので、恋愛映画嫌いの旦那でも最後まで楽しく鑑賞することができました。
よかったよかった。
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