ストーリーが壮大
設定が現実離れしている
何といってもCLAMP作品ですからね。設定へのこだわりは半端じゃないと思います。それに私の知っている中でこんなにシリアスが続く作品はなかったと思います。終始切ないというかあまり明るい話が出てこない作品なんじゃないでしょうか。天の竜と地の竜の二つの力が対立するっていう設定そのものがもうすでにいい感じにファンタジー感を出していると思います。しかもそれが地球の運命を左右するっていう壮大なスケールで描かれちゃってるっていうね。私の知っているCLAMP作品は基本的に明るい感じのものが多かったのである意味斬新でした。そもそも神威に不運起きすぎじゃないかってくらい起きてますよね。なんせ最初にお母さんが亡くなるところから始まってヒロインの小鳥が殺されてってなかなか高校生には受け止めきれないようなことばかりでちょっと胸が痛くなりましたね。
神威の心が壊れそう
もう見てて神威がかわいそうでかわいそうでしょうがなかったです。お母さんは亡くなるは小鳥は目の前で殺されちゃうは、兄同然だった封真は敵側になって人格まで変わっちゃうはってどんだけ課されてるんですかって話ですよね。ましてや高校生で地球の運命を握らされてるなんて結構な精神力とかないと耐えられないと思うんですよね。まあ、実際小鳥が死んじゃった時の神威は廃人でしたからね。普通はそうなるんですよ。その後は立ち直ったけど、神威にとって大切な人がいなくなりすぎだと思うんですよね。主人公がここまでいろんなものを失うアニメって今までになかったんじゃないでしょうか。にしても小鳥のところはほんと切ないというかなんというか・・・。最初そこまで心開いてない感じがあったんですけど、神威はきっと小鳥のことが好きだったんですね。小鳥の方も冷たくされていても神威に惹かれていたと思います。ただ二人ともお互いの気持ちを伝えることがないまま終わってしまったのはほんとに切ない・・・ましてや大切な人を目の前で殺されることほど耐えられないものはないと思います。しかもその殺した相手が自分が仲よくしていた相手だったならなおさら。神威自体はどこか冷めている所があったけど、実は誰よりも人とのつながりを求めていたのではないでしょうか。誰かと信頼関係を築いていくことに対してあこがれみたいなものを感じました。でもだからこそ失った時のことを恐れて周りと距離を置いてたのかなって私は思いましたね。
空汰がほんといいやつ
私がこの作品で好きなのは空汰ですね。なんていうかエックスの中で一番の癒しというか心のオアシスというか。ものすごくポジティブにものを考えるからこのアニメの中で唯一と言っていいくらいの私の心のよりどころでしたね。神威にとって空汰は友達のような兄のようなそんな存在になっていたと思います。時には厳しく神威のことを諭す場面があったりしましたからね。何より関西弁!関西弁のキャラに目がないのでより空汰推しになっちゃいました(笑)
でもそれ抜きにしてもほんといい奴ですよ。男としても申し分なしだと思います。嵐のことを誰よりも大切に想ってて、嵐が自分の方を向いてなくても常に嵐のことを考えてましたもんね。一目ぼれだけでここまで一人の人を愛せるなんてもはや尊敬の域ですね。というか男性の鑑ともいうべきなんじゃないでしょうか。ましてや自分の命を投げ出せるほどの想いっていうのはそうそうないと思います。それだけ嵐のことを愛していたからこそ嵐もそんな空汰に惹かれたんでしょうね。これだけ自分を想ってくれているのに何とも思わないわけないですもん。この2人には幸せになってもらいたかった・・・(涙)
このアニメで唯一と言っていいくらいのカップルでしたからね。一つくらいハッピーエンドがあってもよかったんじゃないかなと。でもあの終わり方も感動したのでそれはそれでいいんですけどね。
封真の人格破綻がすごい
このアニメで何が衝撃受けたかって封真の性格の変わりようですよね。あんなにさわやかで優しい好青年って感じだったのに、地の竜の神威になった途端、全くの別人になりましたからね。誰だこいつ!ってなるくらいの変わりようで戸惑いを覚えましたよ。容赦なく自分の妹を殺したり・・・というか人を殺したり物を破壊することに何の躊躇もないっていうのがちょっと恐怖を感じました。あの優しかった封真がいなくなってしまったことを受け入れるのはやや時間かかりましたね。でも封真が天の竜になっていたとしたら神威がこうなったのかと想像するとそれもそれでちょっと・・・ってなっちゃうんですよね。というか封真の立ち位置がかわいそう。神威がどっちかを選んだらその選ばなかった方の神威になるって封真の意思はそこには何の意味もないっていうのが切ないですよね・・・自分の意思とは関係なく起きてしまうことだから封真自身も苦しかったと思います。あれだけ人格破綻してたけど、心の奥底ではそんなこと望んではいなかったと思います。神威も神威で色々心に負担がかかっていたけど、封真も封真でもしかしたら心に大きな傷を負っていたんじゃないでしょうか。自分の意思とは裏腹に行動が現れてしまうのできっと心の奥で閉じこもってしまっているんじゃないかと私は信じたいですね。あの優しかった封真は決していなくなってはいないんだと思いたいです。
火煉と征一狼の関係
この2人の関係はちょっと切ないなと思いましたね。なんていうか火煉は間違いなく征一狼に心惹かれていたと思います。征一狼も結婚してるけど、どこか火煉のことを放っておけないというかそれが好きっていう感情かは別として気にかけていたと思います。まぁ、火煉の生い立ちを考えると征一狼はきっと自分を照らしてくれる光のような存在だったんでしょうね。でもだからといって自分と一緒に生きてほしいとは願わなかった辺りに切なさを感じましたね。征一狼には幸せになってほしい、ただそれだけを願って亡くなっていったんですね・・・。この2人はなんていうか大人の恋愛的な要素があった部分ですね。これを見た当時は私はまだわからなかったんですが、今になって思い返してみるとこういう愛の形もあるんだっていうことがよくわかります。結ばれるだけが愛じゃないんですね。
ちょっとBL要素が・・・
このアニメを見ているとちょくちょくBL要素が盛り込まれてましたね。神威と封真もお互いに執着しているというか。昴流と星史郎は間違いないですね。特に昴流は星史郎のことを憎んでいながらも憎み切れないのはどこかで別の感情があったからだと思うんですよね。星史郎自身も昴流に対してはどことなくこだわっていた気がするんですよね。でもだからといってそれをメインにしていないのがCLAMP作品のいいところなんですよね。ほんのり匂わせる程度であとは見ている人の想像に任せる的な感じで。だからこそそんなに抵抗なく見れたっていうのがあるんでしょうね。要所要所にそうなのかな?っていう場面があるくらいで全面に出ていないのがいいと思います。私みたいな腐女子にはちょっと物足りないかなって感じはしますけどね。もう少し踏み込んだものがあってもよかったかなとは思いますけど、まあこれはこれでなかなかいいと思います。なんてったってスキンシップというかとにかく触れますよね、お互いに。戦っていてもなんかそれだけじゃないぞって感じがしてそこがまた面白かったです。
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