今までにないタイプ - CODE:BREAKERの感想

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CODE:BREAKER

4.004.00
画力
4.00
ストーリー
3.00
キャラクター
4.00
設定
3.50
演出
4.50
感想数
1
読んだ人
2

今までにないタイプ

4.04.0
画力
4.0
ストーリー
3.0
キャラクター
4.0
設定
3.5
演出
4.5

目次

桜の男前な性格がいい

何といってもヒロインの桜の性格がなんていうか日本男児って感じがしていいですね。お家柄のせいもあるんでしょうけどね。まさかのヒロインの家が極道っていうのもなかなか思い切った設定だと思います(笑)

見た目がすっごい可愛いのに話す言葉は武士みたいな固いしゃべり方だし、考え方もどちらかというと古臭い感じがしてそれはそれでギャップがあっていいんですよね。花火が苦手っていうところも可愛げがあっていいと思います。しかも天然も入っているから余計にこうハートをぎゅっとつかまれるというかなんというか、中身を知っても好きになれる子だと思います。なんか色々振り切っちゃったキャラクターだから今までにいないヒロインですごい斬新だなって思いましたね。ましてや自分の能力にもややしばらく気づかないってどんだけ鈍感なんだって話ですよね。無意識で使っちゃう辺りが桜らしいというかなんというか。普通自分の体に明らかに異変が起こったら気付くと思うんですけどね。そこを全く気にしないっていうのがまた可愛いからいいんですけどね(笑)何より正義感にめちゃくちゃ満ち溢れてる感じが大神とのギャップを大きく感じさせてくれるので、良かったです。

ただの能力ものじゃない

炎とか氷とか能力ものにありがちな王道な能力がほとんどなんですけどね。能力使いすぎたあとが面白いんですよね。子どもになったりネコになったり、ただの能力者もののマンガじゃないっていうところがこの漫画の醍醐味だと思います。しかもその能力を悪い人たちを裁くために使うっていうのがまた王道の少年漫画って感じがして良かったですね。能力も様々で戦闘向きのものもあればサポートタイプのものもあったりと色々なので、読みながら自分にもこんな能力があったらなと思いました。

大神が今までにない主人公

私が今まで読んできた漫画は大体主人公って熱いっていうか正義感に満ち溢れてる感じの主人公が多かったんですけど、大神は違いましたね。なんせ人を裁くのに何の躊躇もなくむしろ感情がないんじゃないかってくらい平然と殺したりするので、新しかったですね。こんなに冷徹な感じの主人公で物語が成立するのかって不安になるくらいには序盤からなかなか危険なにおいを感じましたね。でも段々読んでいくうちに何も思っていないわけじゃないっていうことは分かったんですけど。それでもやっぱり容赦はないなと感じました。

桜と関わっててもどこか線を引いているというか、見下しているというかなんというか。自分の周りのものに対してそんなに関心をもっていないんですかね。自分は違うんだっていうアピール的なのがビンビンしてましたね。ヒロインの桜も新しいなと思ったけど、大神も大神で今までにいなかった新しいタイプの主人公でした。なんていうかヒーローっていうよりダーク感が強い感じの主人公ですね。闇が深そうな感じがあって表情とか感情が全然読み取れない珍しいタイプの主人公だと思います。

物語がちょっと複雑

ザックリ言っちゃえば悪者を成敗していくものなんだけど、その話の展開がちょっと複雑っていうかなんていうか詰め込んだ感じが半端ないなって印象を受けました。そこはもう少しかみ砕いてほしいなってところがぬるっと通り過ぎちゃった感じが結構ありましたね。

話の内容自体は今までとはちょっと違うタイプだったので悪くないなと思ったんですけど、展開の仕方にはちょっとあれ?って感じがありましたね。

でも悪者を裁く組織っていうのは現実にあってもいいんじゃないかなって思いましたね。能力者かどうかは抜きとして裏でこういう組織があったら世の中も少しは良くなるんじゃないですかね。ていうか妙に現実とリンクしている部分もあったりなかったりでそこもあったからストーリー的には嫌いではなかったですね。キャラクターについても謎が多かったですね。寧々音なんか特に謎でした。不思議ちゃんキャラで通してたはずなのに実は冷酷なコードブレイカーだったとかそんな複線どこにもなかったのに物語中盤から後半あたりで急に浮上してきたのは驚きましたね。でもそれもそこまで掘り下げる事なくするーっと流されてしまったのが残念でした。刻と兄妹って言われても全然お姉ちゃんて感じがしないのが不思議でたまらなかったけど、過去を知ればああ、そうかって納得はできました。

他の珍種たちもそうですけど、なんていうか突然キャラクターが増えた割にはそのキャラたちにほとんど触れていないっていうのがもやっとするところですね。

全くってわけじゃないですけど、ほんとに必要最低限のところで説明が終わっちゃってその後の話でまた新しく設定が加えられたりしていたので、何度も読み返して理解するのが大変でした。一回で読んで理解するっていうのは難しい漫画だと思いました。

終盤がてんこ盛りの展開

前半もなかなか盛り込まれているなとは思いましたが、後半はそれの比じゃないくらいてんこ盛りでしたね。大体の漫画って後半から怒涛の展開を生むものだっていうのが相場で決まっているとはいえ、それは盛りすぎだろ!って思わず突っ込みを入れたくなるくらいには盛り込まれてましたね。

まずもって桜が終盤にきて急にメイン感が半端なかったですね。今まで大神にとっていい影響を与えるだけって感じの立ち位置だったのに、最後の方ではものすごく重要なキャラだったんだっていうのが分かるっていうね。確かにそれをほんのり匂わせるようなことは話の中でありましたけど、そこまでがっつり触れてなかったので、正直ちょっと話についていけない部分がありましたね。

そしてなにより桜のキャラが変わっちゃったときが一番なんていうかショックでしたね。まぁ、ショックを受けたからしょうがないっていう部分はあるのかもしれないけど、あれだけ感情表現豊かだった桜があんな無表情になっちゃうなんて想像もしてなかったので、それなりに衝撃受けましたね・・・。

でもそこはさすが主人公の大神がさくらの心を取り戻してくれてこの2人はこのままくっついてしまえばいいのにって思っちゃいました(笑)

なんだかんだ言って、大神も桜のこと好きだと思うんですよ。桜も恋そのものをまだ経験してないだろうからよくわかってないと思うけど、間違いなく大神のことは他の人とは違うと思っているのは間違いないと思うんですよね。じゃなかったらあんなに正反対ともいえる2人がうまくいくわけないと思うんですよね。案外バランスいいと思うんですよ。こうと決めたら猪突猛進の桜とそんな桜を見守りながらもちゃんとしたところに導こうとする大神。合わないようでいい感じになると思うんですけどね。

なんせ終わり方もしっくりこなかったですもんね。記憶なくして戻ったかと思ったら桜の目の前から姿消すし、桜も桜もでそれを止めることをしないでそのまま二人は離れる・・・みたいな?ハッピーエンドを期待していただけに残念感が否めませんでした。

漫画に登場してくるキャラクターたちはそれぞれ納得して別れてたんですけど、読んでる側からしたらせめて最後に何かイベントがあってもよかったと思うんですよね。桜と大神の2人がいい感じになってハグするとかキスしちゃうとか。何よりも高校生だっていうのに青春感がないのがもったいない!ものすごく大人な感じで終わっちゃったって感じですね。でも桜も大神もやり方は違っても目指すものは一緒だから離れていてもそこでつながっていられるんですかね。

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