地味なのにすごくいい映画
星野源の出演作を遡って
今期話題だった連続ドラマのブームに流されて、すっかり星野源の魅力にハマってしまったので、彼の過去の出演作を調べて片っ端から見ています。そのうちのひとつがこの映画でした。「逃げ恥」と同様に、星野源さんはここでも恋愛未経験の男性を演じているわけですが、3,4年前に撮影されたものだから今より若いはずなのにも関わらず、映画前半部分での彼は本当に気持ちが悪くて笑えました。その辺にごまんといるであろう、地味でやばそうなやつという役どころを見事に演じています。実際の星野源さんはとても明るくて社交的で太陽みたいな人なのに、役のハマり方はあっぱれです。本当の姿はもしかしたらこっちの地味男の方で、ラジオやバラエティでは無理してるのかも?とも思ってしまいました。それくらいハマってました。もちろんスタッフによる演出の効果も絶大だと思います。映画内で着用しているメガネの形が本当に前時代的でダサすぎる上、瓶底メガネみたいになっていてレンズ越しの目が小さく見えて気持ち悪く歪んでいるのがすごいと思いました。ちゃんと見えてたんでしょうか。演技するの大変だったんじゃないでしょうか。
夏帆の意外な役どころ
これまで夏帆の出演作はいくつか目にしていましたが、特に好きな女優さんというわけではありませんでした。長身でスタイルがいいせいか、割とアバズレっぽい役、もしくは男勝りな役が多かったように思います。そのイメージのままこの作品を観たので良い意味で意表を突かれました。予告編などもみないままなんの予備知識も入れずに本編を観たので、夏帆の演技はとても新鮮でした。焦点の定まっていない瞳はリアリティがありました。黒いカラコンが入っているんでしょうか?外の世界をほとんど知らない純真無垢な女性を見事に演じていました。実力のある女優さんなんだなと思いました。
極上のラブシーン
ピュアな心理描写や初心者同士の初めてのキスのシーンなど、とても繊細に描かれていたので、最後まで昔の少女漫画的な清純派ラブシーンだけで終わるのかと思いきや、ラスト近くの濃厚なベッドシーンが嬉しいサプライズでした。素敵すぎました。下心とかそういうネガティブな印象を一切とっぱらって、あそこまで美しくかつ濃厚なベッドシーンを描けるとは、スタッフ陣と役者の2人の力量のなせる業だと思います。あのシーンが最高のスパイスになって、私の中で星ひとつ分は評価が上がりました。大好きな映画のひとつになりました。
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