圧倒的な強さが爽快 - BOY-HARELUYA2の感想

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BOY-HARELUYA2

4.504.50
画力
4.00
ストーリー
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キャラクター
5.00
設定
4.50
演出
4.50
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圧倒的な強さが爽快

4.54.5
画力
4.0
ストーリー
4.5
キャラクター
5.0
設定
4.5
演出
4.5

目次

必ず勝つとわかっているから面白い

主人公日々野晴矢は、一見普通の高校生だがとにかく喧嘩の強さでは少年漫画界でも5本指に入るのではと思うくらい、圧倒的に強い。

やっていることはめちゃくちゃで、背中に金属バットやフライパンを仕込んでいるし、仲間を傷つけたり理不尽なことをする相手には暴力面では容赦がないため、晴矢も不良の部類に属する人間なのだが、善悪の基準やポリシーがしっかりしている。ここまで圧倒的に強いと、どんなに強い悪党が出てきても晴矢が勝つことは何となくわかってしまうのだが、果たしてどういう勝ち方をするのだろうか?という視点で物語を読めるところに、この作品の面白さがある。そういう意味では、勝ちパターンが決まっている時代劇のような面白さがある。

愛情の描き方が斬新

晴矢は、高校の養護教諭の春香先生のことがどうやら好きなようだが、友達にからかわれても赤くなる程度で、告白するわけでもないし、なにか口説いたりする風でもない。春香先生も晴矢のことが、生徒とはいえ男性として少し気になっているようであるけど、立場上からなのか特に彼に近づこうとする気配がない。晴矢の友人の岡本とみちるの恋愛は、比較的まっすぐわかりやすく描かれているにもかかわらず、主人公の晴矢の恋愛は、「言葉やセリフ」ではほどんど描かれていない。それなのに、先生に対し非常に真剣な思いを寄せているだろうと感じざるを得ないのは、春香先生が悪党に建物から突き落とされた際に、命がけで先生を救ったことによる。事実、先生を救い出し喧嘩には勝ったものの瀕死の重傷を負い、倒れてしまうのはその回だけなのだ。臭い告白に頼らず、行動で愛情の深さを表現している漫画というのは珍しい。

友人たちが魅力的

まるで家族のような友情、このような友達関係が築ければ、きっと学校がもっと面白くなるだろう、そういううらやましさがこの作品にはある。晴矢の友人には、そのくらい魅力的な仲間がそろっている。画家になるために苦労を惜しまない岡本、そんな岡本に一途に思いを寄せるみちる、晴矢とは喧嘩ばかりしつつも本当は認め合っており、晴矢に人生の転機を与えるきっかけとなる一条など、主要人物だけでもかなり魅力的だ。人物描写は古風であるが、今の主体性に乏しくなりがちな高校生に比べるとずっと大人で、皆目的をもって行動している点が非常にすがすがしい。もとになった作品HARELUYAをさらにパワーアップさせたこの作品は、友情や目標をもって生きることの素晴らしさといった人間の生活の原点を思い出させてくれる。

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