千年を経て蘇る”元祖”現代解釈版「とりかへばや物語」
古典の原作「とりかへばや物語」と漫画「ざ・ちぇんじ!」漫画「ざ・ちぇんじ!」は、平安時代末期に成立した「とりかへばや物語」をベースに、作家の氷室冴子氏が執筆した少女向け小説「ざ・ちぇんじ!」を漫画化したもので、いわば”現代解釈版とりかへばや物語”です。女性的な若君と男性的な姫君が、成人した暁に、姫君は男子として、若君は女子として宮中に出仕し、この男女の入れ替わりによって引き起こされる様々な困難や紆余曲折を乗り越えて、最後は二人とも本来の性に戻って幸福になる、という物語の大きなテーマについては、小説・漫画ともに、ほぼ古典の原作どおりとなっています。しかし、その一方で、原作を少女向けに大きく改変・割愛している箇所が多々あり、それがこの作品を軽やか且つ極めてロマンチックな読み物にうまくまとめ上げている反面、ギャグ要素の挿入と、”大人の”エピソードの欠落によって、リアリティの欠如や妙なもどかし...この感想を読む
4.54.5
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