阿部サダヲさんがとにかく好きになる。 - なくもんかの感想

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なくもんか

4.674.67
映像
4.50
脚本
4.67
キャスト
4.83
音楽
4.50
演出
4.67
感想数
3
観た人
4

阿部サダヲさんがとにかく好きになる。

4.04.0
映像
4.0
脚本
4.0
キャスト
4.5
音楽
4.0
演出
4.0

目次

なくもんか!と思えない

感想が書きにくいなあと思う理由がわかりました。感情移入が追いつかない。ひとつひとつの感情が激しくて、それがコロコロとワンシーンで変わってしまうのでそれを理解するのに一苦労でした。じんわりゆっくり入っていくことができないので、喜劇だか悲劇だかそんなカテゴリーも実感がわかず、どちらとも分類できない、というかあえてはっきりさせないのがこの作品なんだなと思うことにしました。唯一感情移入できたのは大介でした。一番ひんやりしたシーンは大介が祐介に見捨てないでくれと訴えるシーンです。あそこでの瑛太さんの目の力の無さ。感情が止まったように現実を直視してしまった衝撃が現れているようでした。あのときの大介の乱れっぷりは今現在テレビで活躍している芸人さんたちも抱えている悩みなんだろうなと。むしろ、コンビでいることの意味ってなんだろうと。ふたりで頑張ってきたという気持ちの大きさが同じであれば孤独感もなかったかと思うのです。しかしそこはやはりコンビですから、比較対象がすぐ横にいるわけです。いやでも面白い方つまらない方、誰々の相方という立ち位置になってしまうのは仕方のないことだと思います。しかし、金城ブラザーズは違います。多少なりとも人気の差はあっても、大介は大介の才能を持っています。ひねくれずに文学を極めても良かったと思います。そうそう簡単なものじゃないこともわかっていますが、自伝を書いたなら次はコンビのエッセイでも書けばいいんです。見てくれだけの人気でも、そこから仕事が派生するかもしれない。なぜ自分は祐介よりも劣っていると認めてしまっているのでしょう。結成当時は祐介が大介に救われ、自信をつけ輝いて、大きく育っていきました。もともと伸びしろがあったのでしょう。そんな成長を遂げる祐介を間近で隣で見守っていれば、自分の変化が乏しいことにもやもやし始めるのはわかります。そこで嫉妬してどうするんだ、頑張れ!なんて思いません。卑屈になる気持ちもわかります。でも、祐介におんぶに抱っこが嫌なら、自分の得意なことを伸ばさなきゃ。相方の人気を利用するくらいのいやらしさも持ち合わせなきゃいけないと思います。馬鹿正直なんでしょうね、大介は。だから辛くて苦しくて最後も逃げ出しちゃって。一番人間臭くて好きな登場人物です。

個性の摩擦が強い

登場人物が多いんですよね。初代山ちゃんはころっと出番が無くなりますが、というかお惣菜屋さんというキャラクターに竹山さんどハマりですね。こんなおいちゃん商店街にいたなあと懐かしく思いました。その娘徹子もまた大変身するわけですが、あそこまで太った体型を竹内結子の細身までどんな経過をたどったのか、興味が湧きます。ビフォーアフターが激しすぎて、整形は目だけじゃないだろうと、観ている全員が思ったことでしょう。子供たちも自分の母親が得体の知れないおじさんに接吻かまされているところを見なくちゃいけないというトラウマを新たに作ってしまうし、というかお父さんが環境大臣って徹子さんのポテンシャルがハンパないとまた驚かされます。認知症になってしまったお母さんは徹子が帰ってきてからと二代目山ちゃんの実父との食事以降回復するのですが、二代目山ちゃんに抱っこしてとおねだりするシーンは若干の怖気を感じました。書き始めるとキリがないくらい彼らのキャラクターが濃いんですね。混ざり合わない。個々の主張が強すぎてもうよくわからない状態になります。テンポよく話は進んでいくので、そうか、そうかと事実を確認するような作業に近い映画の見方をしてしまいました。もう少しみんなが個性を抑えてくれたら一人一人にちょっとずつ感情移入できたやもしれないなあと、残念に思いました。

善人通りは善人が通り過ぎるところ

いい人が損をするこの世の中を見た気がするシーン。泥棒なんかするわけないじゃないですか。良かれと思ったことを疑うのであれば、すべてを頼りっきりにするなと言いたいし、すべてを任せるなら、たとえ泥棒されても仕方がないと己の愚かさを呪えと強く訴えたいですね。便利屋じゃないんだよ、一人の人間の善意を全員が味わって旨みだけ吸い取って、いざという時にはポイをする。荒んだ世の中を表現しているなあとこのシーンで悲しいやら悔しいやら思いました。疑うことをやめろというのではなく、せめて線引きをしてほしいと思いました。ここからここは頼ろうと、ここから先は頼むのであれば多少のリスクには目を瞑らなきゃいけないとどうして思えないんだろうと。長い人生歩んできたご老人たちも寄ってたかっていいとこ取りをして、都合よく人を使って。山ちゃんも山ちゃんでもう少し人間の汚さを知らないといけなかったなあと思いました。純粋に人を信じたいのはわかりますが、所詮は他人です。自分が可愛いんです。もういい大人なんだから、親しき中にも礼儀ありをきちんと認識しましょう。過度ないい人は損をする。山ちゃんにはもっと自由に生きていってほしいです。

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