つまりは中途半端かな
とてもうまくいっているとはいえない
全編、ヒッチコックのパロディですが、とてもうまくいっているとはいえません。まあ、中途半端です。唯一、大笑いできたのは、サイコでのシャワー室のシーンだけ。その他は特に、大笑いできるものもなくて、、特に優れたというところもなくて、どちらかというと、変、って感じです。
思うんですが、この監督、なんというかおもしろくないんですよね。理性が邪魔をしているんでしょうか?かといって、理性で押すほどの能力もない。逆に、おバカストーリーでとことんやるということもやれない。
この監督は映画会社にとって重宝される人かも
監督も脚本もできて、人脈もあるから、映画会社だったら重宝する存在なのかもしれませんね。
そもそも題材にしたヒッチコックのパロディというアイディアも、映画会社が思いついて、じゃあ、誰にやらせるか、と考えたときに、一番無難にやりそうな男、それが、ブルックスだったということかもしれません。
あるいは、制作側の意向をとにかくよく聞く監督なのかもしれませんね。脚本上、ここを変えてくれといえば、素直に変えるし、撮影シーンもしかり、セリフもしかり、俳優の出演場面もしかり。したがって、どんどんどんどん、角が取れて、凡庸以下の作品いまるまってしまうというような結果になっている気がしてしょうがないです。
メル・ブルックスの顔を見ればわかりますが、本当にいい人っぽい(ちょっと偏屈さも見られますが)。だから、映画会社からすれば重宝する存在なんですよ。いわば、ローテーションの谷間をしっかり問題なく守ってくれるピッチャーみたいで。
才能があるはずの監督だけにおしい
でもどうしてこんなんで満足するのか、わからない。こんなので満足していること自体、この監督には才能がない、といいたいところなんですが、実は、私は、ヤングフランケンシュタインを見ているので、あの大傑作を見せられると、この監督は本当はとてもセンスがあり、こんなもんじゃないと、言いわざるを得ないのです。
ウディ・アレンとの決定的な違いは知的な部分がまるでないし、おバカじゃないってことなんですが。良い意味でも悪い意味でも。でも、そのコメディの感覚を鼻にかけていないし、出しすぎていないといえばうまく言い過ぎなのでしょうか。
一つ言えることは、まあ、気楽に自由気ままに作っているといえなくもないです。ストーリーが変にでこぼこすることもないので割と見やすいとはいえます。
しかし!ヒッチコックの幾多の名作です。いじりようがいくらでもあったはずです。
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