ダイエット中は観たらダメ!
竹内結子さんの食べっぷり
リアルタイムではしっかりと観た記憶はありませんが、再放送を夢中で何度も観た記憶はあります。印象的なシーンは竹内結子さんのご飯を食べるシーン。食に対してあまりこだわりなく育った私にとってランチタイムを楽しみに毎日を過ごして、ご飯を食べることが喜びと言わんばかりの竹内結子さんのあの食べるシーンには衝撃を受けました。お腹が膨れれば何を食べてもいいというこだわりの無さが急に恥ずかしくなり、ひと口ひと口を雑に食べていたなあと反省しました。そして、ご飯を嬉しそうに頬張る女性は可愛いんだという事実に、私も見習わなければいけない気がして、カレーを食べるときはお冷にスプーンを入れたり、ひと口頬張るたびに「おいしい」と言いながら食べたり、竹内結子さんのありとあらゆる演技を真似したのを覚えています。ちょうど中学生頃の私にとって食に関心を持たせてくれたきっかけのひとつのドラマです。エンディングで竹内結子さんは小学校の給食を召し上がっているのですが、最後に牛乳髭ができるあたり、無邪気さと可愛さがもはや罪ですね。あれを必死に真似した当時の私は周囲からしてみれば不気味だったことでしょう。しかし、あれだけ気持ちよく食べてくれるのであれば、給食のおばちゃんも嬉しいと思います。好き嫌いもなく、目の前のものに集中して食べてくれる。作り手としてはやりがいを感じますし、時に食費がかかる!なんて嘆く瞬間もあるかと思いますが、やはり作ってよかった、次も頑張ろうという気にさせます。私は母にとってそういう存在だったか、子どもを見ていてふと思いました。
豪華すぎるキャスティング
堤真一、江口洋介、妻夫木聡、山下智久、竹内結子、伊東美咲、EITA(瑛太)などなど。今考えると恐ろしいほどのラインナップです。若手時代を振り返るとこういった夢のような共演が実現できるんですね。そして逆ハーレム状態の竹内結子さんを羨ましく思い、放送があるたびにこんなにイケメンな兄弟が実在するわけ無いと妙に現実を見ていた気がします。EITAさんは本当にちょい役で数回しか登場しませんが、その存在感は異常な光を放っています。贔屓目ですが、今だからこそ一際輝いて見えるのかもしれません。当時は竹内結子さんと江口洋介さんと妻夫木聡さんの恋がどうなるのかハラハラしながら見ていたので、ちょい役のEITAさんの存在はあまり目に止まっていませんでした。そして、意外なところに大物が隠れているということも最近発見しました。終盤にかけて存在感が増す役柄で、白いタンクトップがとてもよく似合っている、某CMで浦島太郎を演じている桐谷健太さんも実は出演していたんですね。これには驚きました。最近になってようやく知った人物が、実は昔からドラマに出演していたなんて、きっとファンの方だったり俳優さんに詳しい方であればご存知の方もいると思いますが、再度見てみると驚くような発見がたくさんあるんですね。昔のドラマで今の旬な俳優さんを探すのも楽しい見方だなあと思いました。
過去の影
ほとんど1人で生きてきたむぎたなつみさん。随分とやんちゃをしてきたおかげで度胸もあって懐の深い人物になっています。姉御肌でよく周囲の人の仕草や表情を読み取って、その人のためになるよう動いていてとても優しい女性です。この過去の影が最初からチラチラと見え隠れしていたのですが、ドラマも佳境に入り、克服する機会が訪れるんですね。前述でも書きましたが、彼女の食べっぷりは本当に幸せそうで、大量生産大量消費の中でも作り手を喜ばせる力をもった笑顔だなあと思います。その笑顔は、反対に苦しくて辛くて、足を絡め取られて飲み込まれそうなほどの過去を背負っている証拠でもあるなあと思いました。キッチンマカロニが変わらずにそこに存在し続ける意味は、そこへ行けば必ず実家があるように、道を外してどこへ行ったらいいか悩んだ時に必ず帰ってこれる場所として描かれています。他人からしてみれば小さな洋食屋さんです。消費社会の中でそういった存在のお店を自分の中で作るのも難しいですし、お店自体も時代の流れに乗りながら生き残るというのも至難の業です。しかし、ドラマでは何が何でも踏ん張り続けて店を守ると全員が意思表示をしています。しゅうじに手を振ったのはその強い気持ちの表れであり、そして全員が孤独という悲しみに理解を示している。包み込むような人の清らかさ、やさしさが作品から滲み出ています。だからこそ、ダメな長男もダメなままで居られる安心感が増長させているんだなあとそれだけは残念ですね。幸四郎くんも店で働き始めてスイーツ作りという新たな一面を発見するし、どんどん成長できる不思議なお店です。ダメな長男もお金をもらわず出て行ったところをみると、少しだけ前に進んでいるのかな。北風と太陽のまさに太陽であるキッチンマカロニを私自身も見つけたいなあと思わせる作品でした。
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