リアル野球漫画である - ONE OUTSの感想

理解が深まる漫画レビューサイト

漫画レビュー数 3,136件

ONE OUTS

4.234.23
画力
3.50
ストーリー
4.17
キャラクター
4.17
設定
4.30
演出
4.17
感想数
3
読んだ人
5

リアル野球漫画である

4.74.7
画力
3.5
ストーリー
5.0
キャラクター
4.5
設定
4.9
演出
4.0

目次

存の野球漫画へのアンチテーゼ

野球漫画って、ものすごいボールを投げるピッチャー、とんでもない打球を飛ばすバッターがたくさん出てきますよね。しかし、この漫画にはそんな奴らはほとんどいない。とっても等身大の漫画。ルールをいかに駆使して打ち取るか、いかに相手を出し抜くかに全集中力を注ぎ込む。それでいて、チームとは何か、勝つとは何かを徹底的に叩き込む新時代野球漫画。

渡久地東亜の契約はワンナウツ契約

主人公渡久地の契約は掟破りのワンアウト500万円、1失点マイナス5000万円という防御率が球界トップでチャラというもの。この漫画の見所は野球以外のところで金の勝負が展開されるところ。球団オーナーの彩川が渡久地を球団の犬とすべくレートを高くしての勝負を挑む。渡久地のウルトラC、非道さに唖然の連続。もちろん契約ルールは破りません。最善の勝ち方の一手を常に見出だし取り続ける渡久地に注目。

サブキャラのキャラが濃すぎる

リカオンズの監督はクチビルデブ、博打狂いのげんさん、いかがわしいビデオで日本語を覚えたムルワカなど個性豊か過ぎるチームメイトたち。彼らの移籍問題やチームの買収など現実のプロ野球を取り巻く問題もたくさん描かれている。また、ライバルチームにもたくさんのキャラクターが登場している。脚だけひたすら速い選手、パワーバカ、サイレントジャイアントなど見ていて飽きさせない。

観客になれる漫画

読み手は球場に来場した最高の観客。客を楽しませるためならどんな手段も厭わない。そんな渡久地の繰り出す策の数々。彩川オーナーも渡久地の給料ばかりに気をとられていると思いきや、チームの観客動員を気にする場面もあるなど人間性豊か。もちろん、オーナー業は最後は「金」。選手をドル箱と考えるのは、まさに経営の本質。知られざるプロ野球の裏側の事情も描かれ、新規参入が難しい理由がよくわかる。

弱小リカオンズは優勝できるのか

野球は不思議なスポーツ。強いチームが必ず勝つとは限らない。ホームランで1点ということもあれば、ポテンヒットで2点ということもある。つまり、1つ1つの動作が平等ではない。弱小チームなりの勝ち方を実践するリカオンズ。渡久地の加入で勝負師へと変貌していく。プロ野球の厳しさ、そして確率論から考える打者の打ち取りかた。球界の宝であるコジマ擁しながら優勝できないもどかしさ。狂った歯車を嵌めにいく渡久地。負け犬となっているポンコツ集団リカオンズはどこまで走れるのか。

あなたも感想を書いてみませんか?
レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。
会員登録して感想を書く(無料)

他のレビュアーの感想・評価

野球?頭脳戦?いいえ、野球プロレスです。

頭脳戦かと思いきや?名捕手野村克也氏曰く、頭のスポーツことベースボール。野球のアスリート的側面でなく、将棋的要素にスポットを当てた漫画……と言えば聞こえはいいが、実際はあちこち無理がある、なんちゃって頭脳バトルである。であるが、この漫画、なかなかどうして面白い。というより、無理があるから面白い。漫画というのはそもそも勝ち手が決まっているお約束を楽しむプロレスなのだが、本作はそれにどこまでも忠実なのだ。負ける奴はいつもこれでもかってくらいにフラグを立てまくるし、勝ち方もだいたい同じで、代わり映えがない。心理戦に単純に引っかかりすぎである。頭脳戦を謳うわりに、オドロキ役とダマサレ役がはっきりしている時点で、なんだかおかしい。普通それだとつまらないのだが、あまりにも堂々と、痛快にやってくれるので、なんだか普通に面白いのだ。作者も陸上競技者が盗塁マスターになるのは、現実には厳しいと言ってますし...この感想を読む

3.53.5
  • ダブルピースダブルピース
  • 1022view
  • 3179文字
PICKUP

新感覚、心理的野球漫画!

野球漫画の中でも設定が個性的な漫画です。主人公の渡久地 東亜が格好良すぎます。ワンナウツ契約という1つアウトを取るごとに500万獲得、1失点ごとに5000万の負債という通常であれば赤字になるような契約なのに何億、何十億までの年棒にしちゃいます。主人公の渡久地の面白いところはすごい速球や変化球を持っているところではなく、130km程度の速球なのに何故か打たれない。それは抜群の洞察力で相手の思考や心理を読み取り、制球力や球の回転数を調整して完璧に打ち取るところです。自分自身、チームの勝利のための作戦の全てが渡久地の思うままにこと運ぶさまは見ていて痛快です。野球漫画でありながらカイジやライアゲームのような心理的な要素もあり、この状況でどう覆るのかが見ていて面白すぎます。とにかく渡久地が凄すぎます。投手としての成績もさることながら相手チームを陥れる様々な描写がこの作品の醍醐味ではないでしょうか。特に面白か...この感想を読む

4.54.5
  • yamayama
  • 172view
  • 817文字

関連するタグ

ONE OUTSを読んだ人はこんな漫画も読んでいます

ONE OUTSが好きな人におすすめの漫画

ページの先頭へ