嘘だらけの恋愛模様
姉×弟
この作品は、姉と弟の恋愛模様を題材としています。連れ子同士での再婚なので、血の繋がりはない姉弟です。義姉弟という恋愛漫画においてはありふれたテーマですね。
しかしありふれているということは、それだけ人気がある設定ということでもあります。私も好きです。禁断の関係、人はどうしても、「やってはいけない」ことに惹かれてしまいます。
弟の透が幼い頃から姉の湊に対して恋愛感情を持っていたのに対して、湊は大学生になってから透を好きになります。初めはチャラいと思っていた透が実は湊だけを一途に愛していたというギャップ。
漫画には必ずと言っていいほど、話中で何かしらのギャップ要素を入れてきます。この作品の最大のギャップ、それが湊が野口みなという別人になりすますことですね。それについては次で触れていきます。
実は同一人物なのです
そんなの誰でも分かるわ!分からないのは透くらいだわ!
と、思わず突っ込まずにはいられません。実際、野口みなに会った烏丸は直ぐに湊だと気付きました(湊が嘘を言わなかったこともありますが)。
普通なら誰でも分かるはずです。なのに別な人間だと透に嘘を吐き、透は騙されてしまいます。姉の湊には何もすることは出来ないが、瓜二つの野口みなとなら恋愛をしていける。
あまりに都合良く現れた野口みなと付き合う透の神経がよく分からないな〜と思いながら読んでいました。好きな人にそっくりな人なんて正直怖いし気持ち悪い。しかし無理が通るのが漫画。それでこそ漫画なんですね。
そういえば透だけでなく塚口先輩も湊と野口みなと別な人間だと勘違いしていました。湊に対して直接的なアプローチが出来ないと、似ている人間の方にも惹かれてしまうのでしょうか。
透の場合は湊が姉だから。塚口センターの場合は、湊が烏丸と付き合っていると思っていたから。人間の弱い部分をさりげなく描き出しているように感じます。私のように好きな人に似ている人なんて、と考える場合もあれば、好きな人に似ているところがある人を好きになる人もいます。
好きだけど結ばれない・・・恋愛の難しいところを表現していると言うとその通りの作品ですね。無茶な部分はあるけれど。笑
正直この作品を読んでいて、どうやってまとめていくのかなと思わずにはいられません。途中、透に実は野口みなは湊なのですと打ち明けるところもグダグダになっちゃうかな〜と心配しました。
姉弟のように兄妹ものって結末が似たり寄ったりになってしまいがちです。考えられるパターンに限りがあるような気がします。
せっかく面白い破茶滅茶な設定で描いてきてくれたので、ラストも面白いものを期待したいです。
魅力的なキャラクター
何と言っても金田一先生の絵は可愛らしいですね。ほんわかとしていて柔らかい線がキャラクターに優しさを生みます。
破茶滅茶なことをしている湊ですが、サッパリとした性格が何だか憎めません。恋愛経験に乏しく、友人の真樹ちゃんにアドバイスを求めるところも微笑ましいです。
湊に対してクールを気取っていた透も、動揺を隠せずにいる表情など見ていて楽しいですし萌えます。
周や塚口先輩など個性的であったり平凡であったり、見た目も性格も様々なキャラクターが沢山出てきて読み応えのある作品です。
金田一先生の温かい絵を楽しみつつ今後の展開を楽しみに待ちたいと思います。
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