誰もが心温まる場所
両親の大切さ
私が中学生の時、考え方が優しくなれたのはこのフルーツバスケットという漫画がなければなかったと思います。人と人との繋がりを大切にしていきたいと感じたのもこの漫画のおかげです。私は人に対してとても冷たくしてきました。それは両親に対して1番ひどかったかもしれません。どうしても素直になれず、いつもイライラしていました。そんな時友人にこのフルーツバスケットという漫画を借りて読みました。主人公である本田透は両親がいないけれど賢明に生活をしてバイトと学校を両立しているところから物語は始まります。透は母から伝えられてきた言葉たちを大切にしてきました。そんな彼女をみて、親がいることのありがたさや、自分がどれだけ子どもだったかを気付かされました。また、透は母親が事故にあう前日にいってらっしゃいと声をかけられなかったことを後悔していました。私はその当時、両親からの挨拶にも無視をしていました。けれど、その透の気持ちになると今の自分はどれだけ贅沢なのか、もっと自分の周りに優しくなれたらいいのにと感じ、自分自身の性格を見直すことができました。そこから私は両親に少しずつ優しくなれたような気がします。
弱さの中にある光をみつけた
この漫画は異性に抱きつかれると十二支に変身してしまうというお話です。十二支なので登場人物が多いのですが、その登場人物の多くは自分の過去や今の自分に対して悩みを抱えています。どうすることもない悩みをずっと抱えて生きているのは現実も同じです。その中で私が1番心打たれたのは、寅に変身してしまう女の子、きさです。彼女は学校でいじめにあっています。そんな彼女はいじめが原因で声が出なくなってしまいます。私はいじめられた経験はありません。けれどそれを想像すると胸が痛くなります。どんなに辛いことなのだろうと漫画を読むだけでも辛くなりました。そんな彼女に草麻由希が言うのです。立ち向かっていこう。大切なのは弱さ故の向上心であると。私はその言葉が見た瞬間から大好きになりました。確かにみんな弱さがある。それをないものにすることはできないけれど、その弱さの中にある小さな前向きな気持ちがきっと大切なことなのだと実感しました。私は今でも現実で辛いときがあれば、この言葉を呪文のように唱えています。人を勇気づけるのは誰かの愛なのだなと思いました。
支えあいの大切さ
主人公の透は登場人物の硬くなってしまった心をほぐしていきます。そんな彼女でも元気がなくなってしまう時、弱気になってしまう時があります。そんな時に励ましてくれるのは彼女から勇気や元気をもらった人たちでした。草麻夾は本田透に、弱音をはいていい、甘えてもいいと言います。彼女にとってどんなに嬉しい言葉だったでしょう。両親がいなくなり頼れるものは自分だけともしかしたら心どこかで思っていたかもしれない彼女に、その言葉はきっと励みにもなり、安らげる言葉になったと思います。どんなに頑張っている人であっても辛いとき支えてくれる人は必要なのだと思いました。そしてそんな人物に私もなりたいと感じた瞬間でした。
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