遅効性の面白さ
綿密に練られた設定
びっくりするほど細かい設定の数々。トリガーだけでも攻撃手用、銃手用、射撃手用、とみっつあってその中でも更に種類があって、さらにそこにはオプションのトリガーもつけることが出来て…って作者の頭の中はどうなってるの!?登場人物の数もこれから増え、近界に主人公たちが行くようになれば世界もまた増えていくなんて、一体どれだけ壮大な世界観なのか計り知れない。本当にひとつの世界を作っているようなものだと思う。それぞれのキャラクターの性格や武器、それらが今後のストーリーでどう活かされていくのか、またはお蔵入りしていくのか。本編にはなく単行本の紹介などで明かされた設定などもあったから、本当に作者は隅から隅まで作りこんでいるのだと思う。個人的には迅さんの予知が今後マイナス方面に向かうことがあるのかがめちゃくちゃ気になる。予知なんてチート機能、絶対に美味しいところで使えなくなるって信じてる。
キャラデザの子供っぽさ
正直連載当初はあまり期待していなかったのだが、その理由はキャラデザの子供っぽさにある。なんというか、ジャンプじゃなくてサンデーじゃない?というような。写実的でないと言えばいいのか。だがそれによって引き出されている魅力がある。どのキャラクターも同じタッチで描かれているので、みんな主役級の扱いで読むことが出来るという点だ。主人公は勿論オサムとチカとユーマなのだとは思うが、ボーダーがチームプレイを重視している組織なだけあって、どのキャラクターにも見せ場がある。同時刻に行われている戦闘についても順を追って描かれているおかげで主人公ひとりの物語ではないというのが強調されていて、それがボーダーという組織の成り立ちを際立たせているようにも思う。反面敵は今のところワンマンプレーヤーが多いようなイメージだけれど、これから変わっていくのだろうか。
メインの戦闘員は未成年
これは賛否両論あるんじゃないかって読みながらいつも思っていること。勿論フィクションの世界なので未成年もなにも無いのだが、現代日本に似た世界を元にしている中で、中学生や高校生たちが、トリオン体とはいえ相手を斬ったり撃ったりしてそれを楽しんでいいものか。彼らにとってはそれがスポーツの大体なのかもしれないけれど、なかなかショッキングな現実のような気がする。チカは単行本中ではまだ人を撃ってはいないのだが、それが何より正常だと思うのは私だけか。アフトクラトルが侵攻してきた際にエネドラは味方により殺されたが、その死体から発信機を探すのを風間隊の二人がやっていて、諏訪さんが「遠征組は慣れてやがる」とか言っていたがそれってつまり人死にに慣れてしまっているということで、あれはなんとも言えない気持ちになった。今後チカは人を撃てるようになれるのか。物語の中で未成年戦闘員たちが人死にに関与していることについての言及が成されることはあるのか、気になるところである。
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