嘘の正義と本物の正義 - トレーニング デイの感想

理解が深まる映画レビューサイト

映画レビュー数 5,784件

嘘の正義と本物の正義

2.52.5
映像
3.0
脚本
1.0
キャスト
3.5
音楽
3.0
演出
2.0

目次

正義とは何か

まずは正義とは何かと考えましたね。今回悪役のアロンゾ刑事!ジェイクが昔のアロンゾによく似ていると言われている場面から、昔は本当に正義感にあふれていた人ではあったのだろうと予想はできる。でもいろんな犯罪がおこる街で、正統派なだけじゃやっていけないとでも思ったのだろうか。正義のためならってことを言い訳に、自己利益があるようなことばかり。ジェイクがあのときもしスマイリーの従姉妹である女の子をレイプから助けていなかったらきっと殺されていただろう。正義を言い訳に悪事を働くベテランと本物の正義感を持った男の話だと思いましたね。アロンゾが殺されたのは結局自業自得でしたし、あそこで街の人々に守ってもらえなかったのは散々その人たちを見下してきたからではないでしょうか。

家族や身内をおもう心

どんなに悪いやつでも身内や家族は大切にしてるんだなって。裏切り者などには容赦ないけどそういう熱いところはけっこう好きです。とくにスマイリーと従姉妹の関係とかそうですよね。自分は金で刑事を殺そうとしたくらいスマイリーは悪いやつなのに、ジェイクが従姉妹を助けた話をしたとレイプされるような治安が悪いところには近づくなって言ってあると。普段から自分が危険を知ってるからこそでもあるのでしょうが、従姉妹を心配する姿はただの優しい親戚のお兄ちゃんだったと思います。そしてお金よりも恩人であるジェイクをとった。ここでよく性格が表れているのではないでしょうか。確かに危なくて危険な人たちばかりだけど、根はそんなに腐ってはないのかと。欲を言うならもう少しジェイクの奥さんと子供達のやりとりも描写してほしかったなって思いますね。

物語は面白くない

正直物語は面白くないです。ジェイクのだんだん目つきが鋭くなる感じとか、だんだんとアロンゾが壊れていく様子とかそういう心理的なかけひきとか描写は面白かったのです。ただ物語はいたってシンプルで本当はいいやつ?って思ってたアロンゾもやっぱり悪役だ!っとなんのひねりもなくて。もう少し脚本をどうにかしてほしかったなって思います。サスペンスの部類だそうですが、どこがサスペンス?ってちょっと疑問になってしまいます。アクションも基本銃の撃ち合いで目新しいものもなく。俳優さんたちがいい仕事してるだけにこれは残念でしたね。もっと盛り上がるような展開やクライマックスを期待していただけに、最後アロンゾが死んだ場面も淡々としていてなんだか消化不良な感じでした。

あなたも感想を書いてみませんか?
レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。
会員登録して感想を書く(無料)

他のレビュアーの感想・評価

悪の世界に足を踏み入れてしまった新人刑事の壮絶な1日

ベテラン麻薬捜査官アロンゾの狙い新人刑事が麻薬取締課に配属され、そこでベテランの刑事と組むことになるが、一緒に仕事をするうちに少しずつ本物の悪の世界に引きずり込まれてしまう。新人刑事のホイト役はイーサン・ホーク、ベテラン刑事のアロンゾ役はデンゼル・ワシントンが演じている。最初のシーンでアロンゾとホイトが朝のレストランで会話するところでもうこの映画は絶対面白いという雰囲気が出ていた。このレストランのシーンだけで2人のキャラクターが完全にわかるようなセリフ、演技、演出になっているのだ。アロンゾは肝が据わった悪をも恐れぬベテラン刑事だということがわかるし、ホイトは正義感があって真面目な新人刑事だという事がわかる。この映画の最初にびっくりしたのは、アロンゾ役のデンゼル・ワシントンが今まで見たことのない悪役を演じていたことだ。私はアロンゾが悪を倒すためにはなんでもするが根は正義感のある人間なのだ...この感想を読む

4.04.0
  • miyayokomiyayoko
  • 129view
  • 2043文字
PICKUP

毒をもって毒を制して毒に侵されて

ロサンゼルス市警の麻薬取締課に配属された新人刑事のジェイクは、同じ麻薬取締課のアロンソとコンビを組む。麻薬のノウハウを教えられ、数々の大事件を解決したきたアロンソは。ジェイクにとっては英雄だった。ある日ジェイクはか弱い子羊でいるのか、それとも獰猛な狼になるのかを選べとアロンソに忠告される。その言葉の意味を教えるように、犯罪摘発のため、アロンソはジェイクの前で法を簡単に破るようになる。ジェイクは戸惑うが、アロンソの行動は徐々にエスカレートしていく・・・・・・。アカデミー賞に最も近い俳優と言われ続けたデンゼル・ワシントン。彼が初めて獲得したアカデミー賞(最優秀助演男優賞)は、非常に真面目な黒人の軍人の役。今回は、真面目な役とは正反対のアウトローな麻薬取締課の刑事の役。金、女、クスリ・・・・・・毒をもって毒を制してきたけど、いつの間にか自分も毒に侵されてしまった、というのがこの映画の主題。デン...この感想を読む

4.54.5
  • 黝璽黝璽
  • 124view
  • 643文字

関連するタグ

トレーニング デイが好きな人におすすめの映画

ページの先頭へ