緩い印象を抱いてしまう正体 - ゆるめいつ は?の感想

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ゆるめいつ は?

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緩い印象を抱いてしまう正体

5.05.0
映像
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ストーリー
5.0
キャラクター
5.0
声優
5.0
音楽
5.0

目次

前作からの継承

登場人物を絞り込みアニメ本編が描かれている路線は、前作OVA「ゆるめいつ」から継承されている点だと考えられます。基本路線にブレはなく、ほんわか脱力感を楽しむことができます。肩の力を抜いて、単純に笑うことができるのが、「ゆるめいつ」シリーズの魅力になっているのではないでしょうか。それを強く感じられるのは、インターネット上のフリー百科事典「ウィキペディア」の存在です。「ウィキペディア」においても、「ゆるめいつ」シリーズの記載がされています。登場人物の記載を見てみると、8名の登場人物を確認することができます。元々は、4コマ漫画が原作である「ゆるめいつ」シリーズにおいて、登場人物は僅か8名で構成されているのです。この手の作品においては、一般的に、ネタ作りに困って新しい登場人物が増えていく傾向は強いと思うのです。原作4コマ漫画は、コミック全5巻で構成されている作品です。4コマ漫画であることを考えると、長い部類の作品といえるのではないでしょうか。全5巻に至る内容を、8名の登場人物で描ききっていることが分かるのです。登場人物が8名といっても、大屋さん、「ゆるめ」の母、セミ怪人はアニメ本編に登場する機会は少ないです。実質5名の登場人物によって描かれた作品であり、よくこれだけの内容を考えたものだと感心させられます。たった5名の登場人物で構成して、ここまで話を膨らませることができるって、素晴らしいことではないでしょうか。ひょっとしたら、原作者の方の経験談のようなものを描いたコンテンツなのかもしれません。そして、原作者の登場人物における愛情を強く感じられるOVA作品だと思います。登場人物を乱発させないことには、必要以上に話の展開をややこしくしない工夫が伺えます。しかし、それとは別に、原作者の方が既存の登場人物を大事にしていることも伺えると思うのです。

前作からの変更点

今作OVA「ゆるめいつ は?」になり、新しいキャラクターが登場しました。前項では、登場人物を増やさないことについて述べましたが、あくまで方針のことです。決して、新しい登場人物を乱発させるスタイルの作品ではないということです。そして、「ゆるめいつ は?」から登場した「さえ」の妹においても、登場させる必然性があったのだと考えられます。その必然性とは、主人公「ゆるめ」の立ち位置です。前作「ゆるめいつ」冒頭では、「ゆるめ」は新しい生活に夢や希望を抱いていました。しかし、周囲の人物たちの影響を受けることで、次第に自堕落な生活をしてしまうようになります。「ゆるめ」は冒頭部分では、一般的な目線の存在だったはずなのに、周囲の人物たちと同化してしまっているのです。そして、アニメ本編の中で、一般的な物の見方や考え方をできる存在ではなくなってしまっているのです。お笑いの構図でいえば、ボケに対して、ツッコミを入れられる人物が居なくなってしまっているのです。そこで新規投入されたのが、生来のしっかり者という位置付けである「さえ」の妹という存在なのだと思います。また、「さえ」の妹のキャラクター性においても、他キャラクターと被ることのないツンデレ系で設定されています。そして、子どもである「さえ」の妹に、ダメ人間であるアパートの住人たちがダメ行動を指摘される構図が、面白い要素を打ち出すことになっているのだと思います。「さえ」の妹においては、登場したことに必然性があり、登場したことにより話に面白味が増しているのです。

アニメ本編における緩い要素

「ゆるめいつ」シリーズにおいては、恋愛要素や家族愛が描かれることは、ほとんどありません。ただ、それぞれのキャラクターたちに与えられた本文を全うすることはなく、だらしない生活を送っている様子が淡々と描かれているのです。脱力系をとことん突っ走る姿勢が、緩い要素を強調しているように感じられます。しかし、「ゆるめいつ」シリーズ、特にOVA作品である「ゆるめいつ」「ゆるめいつ は?」において、なかなか気付くことができない制作スタッフの工夫があります。それは、全ての声優さんたちの台詞の言い回しがゆっくりされていることです。一話におけるアニメ本編の時間は短いのも、「ゆるめいつ」シリーズです。ギャグアニメとしては珍しい存在ではありません。ただ、一般的なギャグアニメにおいては、特に、短い時間で構成された作品では、早い展開を信条とするものが多いのではないでしょうか。展開が早いことで、必然的に台詞そのものも早い言い回しになると思うのです。しかし、「ゆるめいつ」OVA作品においては逆なのです。登場人物全員の台詞の言い回しがゆっくりなのです。元々、「くみ」はおっとりした性格なので、話し方もゆっくりしています。ただ、他の登場人物においても、「くみ」ほどではないですが、ゆっくり台詞を話しています。だから、アニメ本編から、緩い雰囲気を感じさせるのだと思います。これは、OVA作品における制作スタッフの工夫だと考えられます。なかなか気付くことができない事実ですが、その事実を知って、改めてアニメ本編を観ると感じることができるはずです。



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