物語展開が不自然でややこしい - シックス・エンジェルズの感想

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シックス・エンジェルズ

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映像
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ストーリー
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キャラクター
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声優
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音楽
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物語展開が不自然でややこしい

3.03.0
映像
4.0
ストーリー
1.0
キャラクター
1.0
声優
4.0
音楽
5.0

目次

5人しか居ませんよね!?

「シックス・エンジェルズ」という作品タイトルのわりに、主要メンバーは5人で形成されています。

物語展開の中で、一人加わるのか、と思えば、その一人は裏切り者という立ち位置です。作品タイトルとアニメ本編の内容が合致しない作品だと思えてしまいます。正直、面白いと思える内容でも無かったので、悲しい作品のように思えます。特に、主要メンバーが多過ぎることも大きいのだと思います。それぞれの個性が活かされず、魅力的に映らないのです。それぞれが、埋もれてしまっている印象を強く感じます。また、主人公や主要メンバーが魅力的に映らないと、アニメ本編も全体的に面白くならないです。

企画当初のキャラクターデザインの段階で、すでに躓いているアニメ作品だと思います。

女の子たちが主人公のアニメ作品なので、見た目には華やかさを感じさせるものがありますが、裏切られた気持ちが残ってしまいます。キャラクターデザインの重要性を改めて感じることができる作品ではないでしょうか。

 

裏切り展開が多過ぎる~

主要メンバーの中にも裏切りがあり、敵対組織においても、裏切る展開が多いように思います。展開に意外性を持たせたかったのかもしれませんが、ややこしい印象を持ってしまいます。敵だったのか、と思えば良い登場人物として描かれることがありました。その逆に、味方だと思っていた人物が裏切る展開もありました。誰が味方で、誰が敵なのか、ハッキリさせていないことでアニメ本編そのものを理解しづらいものにしてしまっています。

裏切る・裏切らないが、アニメ本編の中で大きなウェイトを占めてしまっており、その他の要素が頭の中に入ってこなくなっているのです。脚本や物語作りにおいても、失敗していることが伺えます。

 

この原案・総指揮は!?

あのアイドルグループ「AKB48」など数多くのユニットの仕掛け人となった、秋元 康氏のようです。女の子キャラクターで占めた主要メンバーで構成して、華やかさを演出しようとする部分は、秋元氏らしさを感じられるように思います。

また、劇場版アニメの制作とアイドルユニットではジャンルが全然違うことから、幅広い仕事をされていることが伺えます。

しかし、アニメ本編の面白みの欠如には、天は二物を与えないことを感じられるのではないでしょうか。興行成績も実績を残すものにはなっておらず、改めて、秋元氏の振り返りを聞いてみたい気がします。ストーリーそのものを二転三転とさせ過ぎ、観る側を置いていっているように感じさせるのが、最もダメな部分だと思います。

秋元氏がどのように評価しているのか、そして、この仕事自体をどのように振り返っているのか、そこまで考えてしまうアニメ作品です。とにかく全体的に残念で、良かったポイントを見出すのに困ってしまいます。

 

設定自体がヘンテコリン

主要メンバーたちは、民間警備「ガード・オブ・ローズ」に所属した傭兵のような存在だと考えられます。しかし、男性による女性に対しての暴力に問題意識をもち、DV問題にも取り組んでいるようです。

全く別路線の2つを組み合わせていることにより、主要メンバーたちの目的や行動がぼやけてしまっています。せめて、どちらかに絞り込むべきだったように感じさせます。

傭兵とは戦闘のプロだと考えられます。

すなわち、暴力のプロという見方もできると思われます。男性の暴力に対し、同じように暴力で対抗するのであれば、問題解決は図れないのはないでしょうか。

矛盾を感じさせる設定になっているのです。

そして、女性が男性に向けて、暴力を振ってよい理屈も成立しません。むしろ、現代社会のDV問題でいえば、男性から女性に向けられた印象は強いですが、全体の1割は、女性から男性に向けられたものというデータもあります。

DV問題とは、必ずしも、男性から女性に向けられるものではないのです。

だからこそ、アニメ作品そのもののメッセージ性としてDV問題を打ち出したかったのでしょうが、私自身には響いてきません。きっと、作品を観た後、メッセージ性が響かなかった人は多かったのではないでしょうか。

 

物語冒頭から違和感!?

「ガード・オブ・ローズ」主要メンバーたちは、事件に巻き込まれるかたちで物語が始まっていきます。冒頭では脱出劇だったのに、核兵器による危機回避に目的が変わっていきます。そして、「ガード・オブ・ローズ」とは本来、DVによる女性保護・救済を目的とした組織です。

全てが噛み合わないもののように感じないでしょうか。

アニメ本編では主要メンバーたちの意識が変わることで、ドン・キャニオンの野望を阻止するように行動が変わっていきます。しかし、本来の彼女たちの仕事とは、全くの別モノなのです。本来、ドン・キャニオンの野望を阻止すべきなのは、各国の軍隊のように思えてなりません。

物語冒頭から、滅茶苦茶なのです。

当然のことながら、その後の展開も滅茶苦茶なように思えてなりません。

私自身は、無駄な時間を費やしたとしか感じられないアニメ作品です。物語のような創作物づくりは、秋元氏の得意とするジャンルではないように感じられます。

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