生かすと言うことにこだわり続ける無免許医 - ブラックジャックの感想

どうしても助けたがる天才外科医

相手が自分を狙っている敵だろうが、動物だろうが、もう先が長くないとすぐ分かる老人だろうと、自分の目の前の命の炎が消えそうになっていると、絶対に生かそうとする姿が印象的です。「生きる」、「生かす」ことに対する向き合い方が、他の医療アニメのキャラクターと度合いが違うように思えます。それはブラックジャック自身が幼い頃に死にかけた時に助けてもらった体験からくることなのでしょうか。また法外の請求をするとよく登場人物にバッシングされていますけど、がめつい悪い人間には足下を見て莫大な請求を、貧乏で弱い者には何か交換条件でチャラにしているときもあるので、そんなにひどくないと思います。もし本当に治してもらえるなら、命はお金にはかえられませんしね。

何となく孤独っぽいイメージでしたが実はそうではない

影があり、他の人には分からないルールがあって、気難しそうで「俺と関わらない方がいい」とよく言っているせいか、孤独っぽいイメージでした。ですがストーリーをよく見ていると意外とモテますね。ピノ子はじめ喫茶店のマスターや、その他時々出てくる女性医師なんかにも好かれて助けられているし、出会った患者さんも中にはブラックジャックに惚れているような感じの人もいて、けっこうモテるなと思いました。私だって見ているうちにブラックジャック先生に恋してしまいますもの。命を助けてもらったり、命との向き合い方、ズルさのない性格に触れたら自然と惹かれてしまいますね。

ピノ子がいるからブラックジャックのキャラが生きる

ピノ子とブラックジャック先生の掛け合い、愛情、助け合いを見ていてとっても心がほんわかしてきます。人との距離をとって孤独にクールに生きようとするブラックジャックですが、誰とでもすぐ友達になれてお節介で優しい心を持ったピノ子との掛け合いでは、ブラックジャックは冷静でもクールでもいられず、人間味に溢れていて大好きです。ですがもし万が一ピノ子というキャラクターがいなかったらどうでしょう。絶対にブラックジャックの魅力半減だと思います。ピノ子はオペの助手もこなしてしまいますし、家事もやってくれて立派な助手でありお嫁さんですね。それに笑いもとれます。でも姿は悲しいかなずっと子供のまま。ピノ子のことを思うと、さぞ大人の女性の体になりたいだろうなぁと不憫に思います。一人の女性としてブラックジャック先生に見て欲しいでしょうし。もしかしたら一番影があって孤独と戦っていて哀愁漂うのは、ブラックジャックよりピノ子なのかもしれません。