つみきのいえのあらすじ・作品解説
「つみきのいえ」は、加藤久仁生監督・平田研也脚本により2008年に発表された短編アニメーションである。邦画で初めてアカデミー賞短編アニメ賞を受賞したほか、国内外で多数の賞を受賞し当時注目を集めた。公開規模が小さい短編アニメーションでありながらも、DVDの発売やビデオオンデマンドでの数社による配信のほか、監督と脚本家がアニメのストーリーや世界観を軸に書き下ろした絵本の発売などの展開でヒットを飛ばした。 海水がどんどん上昇していく町。上へ上へと建て増ししながら住み慣れたその家に住み続ける老人。ある日その老人は、海水の中へ落としてしまったパイプを拾いに海へ潜っていき、かつて住んでいた階層で共に暮らした家族との思い出がどんどん蘇ってくる。 セリフなどはなく淡々と老人の生活を描写していくが、場面により絵のタッチや色合いに変化をつけるなどの表現を用い、抽象的でありながらもこれまでの老人の人生がしっかり感じられる。静かな感動に包まれる作品である。
つみきのいえの評価
つみきのいえの感想
その家には、人生が…
アカデミー短編アニメ賞の受賞作(邦画初)ということで、ご存じの方も多いかもしれません。水没してしまうその家に住むおじいさん。水が上がってくるたびに、その階には住めなくなるので、自分で木材などを積んで上へ上へと家を伸ばして引っ越します。今まで何度そんなことを彼は繰り返してきたのか、どうしてそこから離れないのか、彼の家族の記憶…など、その家への彼の想いが痛いほど伝わってくる作品です。DVDには長澤まさみナレーションバージョンも収録されていて、無ナレバージョンとどちらも鑑賞して欲しいです。12分ほどと、ごく短編ながら…短編だからこその魅力の詰まった一作です。