リアルな恋愛話!
サエコという人
人妻としていきなり登場し、主人公からも「あの女」「イケメンを食いまくってた」などヒロインとは思えない言われっぷりの彼女。
表面的にはノリが良く、お洒落で人当たりが良く女の子にも人気なタイプの女性。
見ていて誰でもすぐ気づくのは、サエコは頭の回転が早い人であり自分の本能の部分に素直な人というとこだろう。
ただ、母親との関係はあまり良くなく夫もDV。
周囲に幸せで良いわね、と言われる度微妙な顔をしている。
これをわざと愚痴を言うと取る人もいるが私には本心で満たされておらず、理解されないことへの寂しさを常に持った人という風に見えた。
どんな愚痴を言っても幸せにしか見えないサエコは、他人の目と自分の真実のギャップから行き場のない気持ちを抱えそれが人に好かれたいという気持ちに繋がっているのではないだろうか。
人間関係を築く上手さは、人の求める対応を理解して実行できるから。
サエコの場合は天然ではなく人に好かれたいという気持ち故の努力からのものである。
サエコとソウタの気持ちは?
送信しようとして消したメール、自宅から逃げたサエコのソウタへの様子や本心を語っていたことから恋愛感情はあったと推測出来る。
同時に夫への気持ちは愛ではないと理解したのもソウタへの気持ちが分かってからだろう。
薫子へも結婚に至った経緯は、打算的なものであったと話している。
収入や立場が安定している人で安心と、自分に稼ぐ術がないサエコは生活の安定を結婚相手に望んでいた。
だが、最後ソウタへの別れを決意するにつれて幸せとは何かをサエコは知りソウタへの気持ちが人を好きだというものだと理解したのだろう。
だたらこそ、彼女はソウタを思い出し涙を堪えたのだ。
ソウタのサエコへの気持ちは近づくほど妄想出来なくなったことから、永遠に大切な人だがすでに恋愛対象ではなかったと想像できる。
ソウタが好きで、拘っていたのはあくまでも昔のサヨナラを言った時の彼女で今の彼女ではなかった。
ソウタは幻影を追い続けていたのだろう。
最後それに気付いたからこそ彼はサエコへの失礼と大切な人という事実を受け入れチョコを作れたのだろう。
エンディング
サエコは夫へと戻った。
ソウタとの恋愛を終わらせ、子どもをとり母親として生きる選択をしたのではないだろうか。
ソウタと駆け落ちしなかったのは、サエコの現実主義だろう。
気持ちはソウタにあったが一緒になったとして父親も違う。
ソウタに迷いもあった。
子供には実の父と安定した収入と結論づけたのだろう。
仲睦まじく最後に腕を組んでいたのは許したからではなく、彼女の円満を保つための演技に思えた。
一方、ソウタはエレナも選ばずに修行へ。
これは、サエコとの過去との決別と前向きにショコラティエという仕事に向き合おうという終わりだったのだと思う。
エレナとくっついていたら、結局恋愛で終わりソウタの成長はないと感じたし良い終わりだったと思う。
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