旅にでるならこの一冊 - ミッドナイト・エクスプレスの感想

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ミッドナイト・エクスプレス

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旅にでるならこの一冊

5.05.0
文章力
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ストーリー
5.0
キャラクター
4.0
設定
5.0
演出
4.0

目次

深夜特急の魅力

深夜特急、これは沢木耕太郎(以下沢木氏)が若いころに行った実際の旅を小説化したものである。この小説は読むと無性に旅に出たくなってしまうという魔法の本だ。したがってサラリーマンなど長期休みが取れない人には進められていないものである。実際私はサラリーマンでありながらこの本を読んでしまった一人である。そう、案の定私は会社を辞め、今現在は世界中を旅している。この小説がいかに魅力的なものか綴っていこうと思う。

小説内の世界を実際に見てみた

この小説の中での五酸味は非現実的できごと、日本でサラリーマンをやっている人には味わえない内容だと思う。特に安いバスを乗り継ぐ、安い宿に泊まる。これはどちらもツアー旅行や一般の旅行者は経験できない、いや経験しようとも思わない内容である。そしてその安さがとても魅力的で私の旅にも影響を与えている。作品の中で沢木氏ははじめに香港を訪れ安宿に泊まる。そこはとても汚く誰も泊まりたいと思うような宿ではない。小説内の表現もこと細かに書かれていて、小説を読み進めていくうちにその宿の魅力がどんどん膨らんでいく。そして私は実際に現場を訪れてみることにした。いや、気がついたら私がそこに立っていた。名前はチョンキンマンション。香港にあるビルで5棟ほどが途中の廊下などでつながっている建物である。薄暗く汚い建物であるが、アジアの魅力がとても詰まっている。私は作品の中に出てくる宿と同じところには泊まれなかったが、似たような安宿を選んだ。トイレとシャワーが一体になっている。壁はカビだらけ。窓の外は外部ではあるが、光を取り入れるために設けられた5m四方ぐらいの光井戸だ。もちろんベッドもぼろぼろで汚い…。そこでの生活は小説の内容そのもの。実際にこうして自分の目で確認することでこの小説がいかに事実に基づいて書かれているかを実感できる。

まとめ

今回のレビューでは香港編での内容になってしまったが、ユーラシア大陸横断、ヨーロッパの移動も同じように魅力的なものである。しかし、今回香港に絞ってレビューを書いたのはサラリーマンの人でも3、4日も休みがあれば、簡単に訪れられる地だからである。そうこの小説を読んだら実際に小説の中に出てくる場所まで旅をしてほしい。そしてその地にて小説を読み返す。頭も体もそこにいるのである。これほどまでに人に影響を与え行動させる小説は先にも後にも深夜特急ぐらいではないだろうか。

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