凍のあらすじ/作品解説

壮絶な記録。

先日、冒険家・三浦雄一郎さんが８０歳でのエベレスト登頂記録というニュースで賑わいました。そんなニュースをみながら、この沢木耕太郎さんの『凍』という作品を読み返したいと思いました。これは、登山家である山野井泰史・妙子夫妻が、ギャチュンカンという7952メートルもある山の北壁から挑戦した際の記録をまとめたものです。登山など無縁なものが読んでも、その夫婦の凄さを感じることができます。壮絶な環境のもと、夫妻が命をかけて、登頂、下山していく姿に、感動してしまいます。まったく縁のない人が読んでも、この世界、真っ白な視界が包む世界が、目に浮かぶような、そんな作品です。