MEMORIESをみた記憶
短編オムニバス映画
大友克洋原作、監督のアニメーション映画。珍しい短編3編によるオムニバス形式。ポイントや目的に焦点が合わされて短時間でそれらを体験出来るのでこの形式の映画は成功していれば嫌いじゃないし満足出来ます。1編目は「彼女の思い出」。短時間の中に深いドラマが詰め込まれていて科学の発達した時代の中の人間ドラマが垣間見れます。大友作品では時に見られるAKIRAみたいに抽象的な美術作品みたいにまどろむみたいな終わり方をしますがドラマ自体ははっきりとキャラクターの心情などを伝えていると思います。SFなのに中世ファンタジーのようなアナログ感があってかなり出だしからかなり大人向けにつくられています。
臭いについて考えさせられてしまった
本アニメ映画用のオリジナルとして制作されたのが「最臭兵器」というのが二編目に登場する、これがタイトルからしてギャグかなって感じです。ストーリーも実際ほとんどギャグなのですが画面やキャラクターの絵はリアル向けでうまいですし真面目に物語は展開していくので笑いのツボはあるにも関わらず何かが起きる危険を常にハラハラと放っているので何かマズイのではないんじゃないかと見ている最中に感じてしまい、うっかり笑うタイミングをも失ってしまうことがシバシバといった感じの作品です。作中の土地など実際あるようですしリアルと非現実の境目ギリギリというかこんな話は実際有り得るのではないかと思いますが極端なのでやっぱりないでしょう。ただ主人公の男に何故こんな奇妙な臭いが纏わりついてしまっていえるのかイマイチ分かりませんしその事実も何だか恐ろし気で視聴者の空想をも掻き立てます。管野よう子の音楽が最高。
スチームパンクは堂々に不滅か?
スチームボーイという大友監督の長編アニメーション映画の元のアイデアを築いたと言われる作品で「大砲の街」。こちらの絵柄はまるでパステル画というか他のアニメではあまりない味わいの画面作りになっています。ほのぼのとした感じと微妙に威圧するような怖い雰囲気もあるどちらとも取れるような…まるで監督の大友氏が実際に油や煙に巻かれた職場での労働経験がある戦争兵士だった方なのではないかと勘ぐってしまうくらい、空想でこんな戦争絵画みたいな事出来るんだなあと感心します。あの絵本のような感じからは想像もつかなかったリアルさを感じてしまいまして自分でもびっくりしました。でもこの作品どこかかわいい???
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