理不尽な暴力の面白さが最大の魅力 - 無敵看板娘の感想

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無敵看板娘

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理不尽な暴力の面白さが最大の魅力

5.05.0
映像
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ストーリー
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キャラクター
5.0
声優
5.0
音楽
5.0

目次

グラップラー刃牙との比較

「無敵看板娘」において、全然、関連性がなさそうな「グラップラー刃牙」との共通点が、意外と多い気がします。もしかしたら、原作者の方が「グラップラー刃牙」に影響を受けているのかもしれません。

まず、「無敵看板娘」も「グラップラー刃牙」の両作品の原作マンガは、週刊少年チャンピオンに連載されていました。また連載時期においても両作品は重なっており、「グラップラー刃牙」といえば、週間少年チャンピオンを代表する作品で、他にも「浦安鉄筋家族」にも影響を与えている作品です。それだけ「グラップラー刃牙」という作品の存在感が大きいことを表しているのかもしれません。

 

そして次に、主人公の親が最強の存在である、という点です。恐ろしいほどの強さで、他を圧倒する様子は酷似しているのではないでしょうか。また、「無敵看板娘」の主人公は、そのタイトルが示すように女性です。そして「グラップラー刃牙」の主人公は、同様にタイトルが示すように刃牙(バキ)と男性です。それぞれの作品の超えられない大きな壁として、存在感を示す親においては、同性であるという点も同じです。「無敵看板娘」主人公の親で存在感が大きいのは同性の母親ですし、「グラップラー刃牙」主人公の親で大きな存在なのは同性の父親です。

ひょっとしたら、「無敵看板娘」の原作者が意図的に似せたのか、影響を受けて似てしまったのかもしれません。

 

さらにジャンルという点においても、両作品はギャグマンガであることも共通項といえます。「グラップラー刃牙」を格闘マンガ、ギャグマンガ、どちらに分類するか、で議論や意見はあるかもしれません。格闘マンガに仕分けするのが、一般的な考えなのかもしれません。しかし、私の意見としては、有り得ない設定、有り得ない展開を全力で真面目にしている「グラップラー刃牙」はギャグマンガだと思うのです。おそらく原作者は、意図的に笑いを狙っていると思います。

そして、ギャグマンガという括りに両作品は存在する、と私は言い切ります。

 

原作マンガとの相違点

ほぼ、原作マンガをそのままアニメに忠実に再現されています。しかし、再現しきれなかったのか、意図的に雰囲気を変えたのか、違いはあるように感じます。

ひとつは主人公である鬼丸 美輝(おにまる みき)の強さという点です。原作マンガの方が強い印象があるのが拭えません。アニメという媒体は、マンガに比べて声や音楽、動きや演出という要素が加わります。その点において、どうしてもマンガと比べて、イメージが具現化されるアニメ媒体の印象は変わるのかもしれません。

次に、トシユキ(犬)の存在も、マンガとアニメの印象で相違があるようのではないでしょうか。アニメ作品のトシユキは可愛いイメージが先行しますが、マンガの中のトシユキはアニメより筋肉質に描かれていたように感じます。トシユキは、作品の中で主人公の美輝にとって、母親の次に強い存在として描かれています。マンガでは見た目の強さ、という部分を強調していたように思うのですが、アニメでは可愛らしさ先行に、イメージチェンジされてしまっているように感じてしまいます。

そして、同様のことは、西山 勘九郎(にしやま かんくろう)にもいえます。マンガの方が、筋肉質に描かれていたように思うのです。

それらのことからいえるのは、暴力的な表現や演出をアニメ制作スタッフが意図的に抑えた結果なのではないか、と予想します。もっと激しい演出をさせることも可能だったように思いますが、敢えて避けたように思えるのです。

その部分では、原作マンガがアニメ化され、ボリュームダウンした点といえるでしょう。

  

やっぱり面白い作品

全体的には、原作マンガを忠実にアニメ化されていると思います。なので、私は面白さという点においては、原作マンガ同様の点数がつけます。前述した通り、原作マンガとの違いは感じられるものの、ストーリーやそれぞれの登場人物の個性は、原作そのままなので原作同様に楽しめます。マンガ原作からアニメ化された作品は多いですし、声や色がマンガの印象を違って嫌われる例もあります。しかし、この「無敵看板娘」のアニメ化においては原作のイメージを壊すことがない声優のキャスティング、そして、作画と配色がされていて再現度は高いと思うのです。

もしかしたら、アニメ制作スタッフは原作マンガのファンだったのかもしれませんね。そう思えるほどの作り込みと再現度には到達しているのではないでしょうか。

悲しいのは24話で最終回を迎えており、続編がアニメ化されていないことです。そして世間一般の評価ももっと高くて良いと思うのですが、埋もれてしまった印象があります。それほど、私は好きで、もっと観たいと思えるアニメ作品です。美輝の身勝手ぶり、理不尽ぶり、そしてお母さんの鉄拳制裁の恐ろしさを楽しみたいです。のほほんとしているようで、激しさをみせるバトル展開のギャップも好きですし、魅力を書き出したら止まりません。

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