敵対する本物VS偽物の主人公 - 銀色のオリンシスの感想

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銀色のオリンシス

5.005.00
映像
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ストーリー
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キャラクター
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声優
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音楽
5.00
感想数
1
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敵対する本物VS偽物の主人公

5.05.0
映像
5.0
ストーリー
5.0
キャラクター
5.0
声優
5.0
音楽
5.0

目次

ヒロインのティア

どこかで見たことがあるような、とずっと観ていて心に引っ掛かっていました。そして、途中で気付くことができました。

ティアは、「ヱヴァンゲリヲン」の綾波レイに似ています。あくまで見た目だけですが、赤い目、白い髪が綾波レイを彷彿とさせます。髪型がショートヘアだったら、もっと似ていたように思います。ただし、キャラクター性は全然違いますので、そのギャップが楽しいです。ティアは天然色が強いですが、猪突猛進なところも強いです。トキトに対してのアプローチぶりは、トキトが羨ましく思えるほど押しが強いです。そんなところもヒロインとしての魅力になっているように思います。

また物語の冒頭から中盤まで、ティア自身が記憶喪失であり、謎の存在という位置付けになっています。謎の存在という位置付けは、「ヱヴァンゲリヲン」綾波レイと同じなのかもしれません。しかし、綾波レイは謎が明確になることがなく、未だに謎に包まれたままです。謎が明確になるか、ならないか、という部分においては相違があります。

 

また、ティアの衣装が未来的でありながらも、可愛らしく感じさせるデザインが特徴的に思います。コスプレではなくても、あの格好で歩いている女性がいたら、きっと振り返ってしまいます。それだけ秀逸で、女性らしくもあり、新しいファッション性を感じさせるものになっていると感じます。

 

セレナの衣装がエロ過ぎ(笑

セレナの格好は、滅びてしまった昔の地球の文明・文化の格好なのでしょうか。チャイナ服のようでありながら、バストの横に切れ込みが入っており、目のやりどころに困ってしまうと思うのです。

また機能性においても、上下運動は兵器でしょうが、激しい左右の横の運動をした時に、ポロリしてしまう可能性が高いように思うのです。またブラジャーを着けている様子もありませんので、危険極まりない衣装といえるでしょう。どういう構造になっているのか、把握できない部分はありますが、危険な衣装であることは間違いないでしょう。

この部分は、アニメ作品におけるツッコミどころであり、考えてみると面白かったので挙げさせて頂きました。

なんだか色々と想像してしまう衣装であり、制作スタッフの意図するところなのかもしれません。

 

これは制作スタッフの意図に、まんまと踊らされているだけでしょうか(笑

 

ミスズお姉さま

ティアが、ミスズを呼ぶ際につかう呼称に笑わせて頂きました。この部分に、ティアの天然ぶりが発揮されており、なぜか宝塚のようなノリ、少女マンガのノリで唐突な展開が面白かったです。

ミスズという人物が姉御肌であることを強調する展開であったとは思いますが、「銀色のオリンシス」というアニメ作品の世界観に合っておらず、「お姉さま」という上品なキャラクターでもないことから笑えてしまうのです。

 

トキトの成長ぶり

物語冒頭からのトキトの成長ぶりは目覚ましく、大きく成長していく様子は付き合いの長いミスズですら驚いていた様子に感じます。

トキトが成長する要素に、ヒロインであるティアの存在が大きかったように思います。ジルバーオリンシスを操縦する際、機体にダメージを受けるとティアの身体に反映される、という設定は、トキト自身の成長を促す要素として活きたのではないでしょうか。

地味だったトキトが、終盤では、積極的に障害に立ち向かっていく様子は、まるで別人であるかのように映ります。この「銀色のオリンシス」という作品は全12話で、比較的に短い作品だといえるのではないでしょうか。その短い作品の中で、トキトを成長させる原作者・制作スタッフは、とても上手な手法を用いたように思います。

 

コウイチVSトキト

コウイチは執政官アルが殺害しており、コウイチの身体ごと執政官アルが奪ったということだったようです。よって、正確には、執政官アルVSトキトという構図で物語後半は進行していくことになります。

驚かされたのは、月勢力はもっと大きな存在で、月に住んでいる住民もいるのだろうと想像していました。しかし、執政官アルとボルフの二人だけだったことに意外性がありました。ただ、驚かされましたが、執政官アルの孤独を強調する設定・背景だったように振り返ります。

一方のトキトにおいては、仲間との絆という部分が強調され、執政官アルとトキトの対照的な部分として捉えることができます。

また、地球緑化という大局的な見地をする執政官アルに対して、人間の命を尊び、倫理観を重要と考えるトキト、という図式も対照的なのではないでしょうか。

 

セレナの正体

セレナがトキトのことを気にかける様子が、セレナ自身の正体を示唆する布石になっていました。とても分かりやすい布石だったように思います。しかし、どのタイミング、どのようなかたちで明らかになるのか、楽しみだった部分です。

 

そして、セレナの正体が、最終回の後にどのような展開になって、ティアがこの時代にやってくることになるのか、考える要素になっています。

きっと、トキトとティアは同じ時間を過ごして、生身の人間であるトキトが老い、死んでしまった後に、寿命が長いティアはこの時代にやってきたように想像させます。しかし、セレナの正体であるティアは、見た目はヒロインであるティアより数年歳を重ねたように映ります。それはそれで、トキトが死んでしまってから、この時代にきたのであれば、若すぎる気もします。

ひょっとしたら、ティアという人物は複数、クローンのように存在するのかもしれません。

また、最後にトキトとティアが描かれることはなかったですが、そのまま離れ離れになっている可能性も否定できません。

こうやって色々と想像することが、この作品の楽しい部分のひとつなのかもしれません。原作者、または制作スタッフからの最後のプレゼントのように思います。

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