イケメン(ただしオネエ疑惑)美容師と美人(ただしサイズ規格外)女子高校生の恋愛
出会いは最悪
六人姉弟の長子長女である万葉は弟妹思いの美人女子高校生。放課後は末の弟を幼稚園に迎えに行くが、もちろん年頃の女の子。目的は弟のお迎えだけではない。幼稚園教諭である水嶋に片思いしているため、大慌てで幼稚園まで走る万葉。しかし、そこには水嶋の親友であるという杉本真紀も待っているのだ。杉本は長身クウォーターの美容師。例にもれずイケメン設定。ただし、話し言葉はオネエ。
杉本は万葉の髪質にほれ込み、毎週休みのたびに幼稚園に迎えに来る万葉を待ち伏せしているのだが、水嶋に片思いをしている万葉には内緒にしていることがあり・・・
始まり方はまぁよくある設定だなぁというような感じではある。そしてやたら狭い世界だなぁとも。公開当時、なかなか見ない設定としてオネエ言葉を操るイケメンというところであろうか。あの頃はイケメンがオネエ言葉な漫画はなかなか見なかった。
キャラ設定について登場人物がほぼ長身(たいてい165cm over)というのは作者のこだわり??
正直長身ばかりがこんなに集まると目立って仕方ないと思う。(作中にも目立つという表現はあるけれども。)
中盤ダレる
出会いから杉本に惹かれていき、杉本の過去の心の傷のためカップル成立前に離れたり、その心の傷を一緒に受け止める覚悟を報告し、カップル成立するまでは一気に読みたくなるが、中盤、万葉の親友・扇子と杉本の親友・本庄のストーリーや、突然の杉本の転勤、杉本の弟が万葉の学校教師として登場など、いろいろとエピソードがでてくる。このあたりから独特のギャグが多用されはじめ、なかなかテンポよく話が進みづらくなってくるのが気になる。
ただし、読み切ってしまえばすべては繋がる。
絵については終盤、やたらキラキラした目になることがあり、個人的にはなぜこうなった!と思わずにはいられなかったが、次の作品ではそのようなこともなかったため、これは作者として敢えてこういう夢と希望にあふれていますみたいなキラッキラした目にしたんだろうなと。
シリーズ読みを勧めます
この漫画は「秋吉家シリーズ」として一番最後に公開されたもの。
6人姉弟それぞれの恋愛エピソードが書籍化されており、特にすぐ年下の弟・千鶴の話は読んでおくと理解がしやすいかなと感じる。
個人的にはラストの結婚式に弟・千鶴が出席しない、というのは大のシスコンである千鶴なのになんで?!と思わずにはいられなかった。シスコンであるが故に杉本への嫉妬から出席しない…のか??「万葉が幸せならそれでいー」というのはどこへいった??
また、扇子と本庄のその後のエピソードも書籍化されているのでそちらもチェックしたいところ。
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