作者の罠、衝撃的なラスト! - アザーズの感想

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作者の罠、衝撃的なラスト!

4.54.5
映像
5.0
脚本
4.5
キャスト
4.5
音楽
4.0
演出
4.5

目次

”先入観”の恐さを体全身で感じました。

自分以外の誰かが側にいるような気持ちになったことはありますか?いるはずがない所から人の気配を感じたり、例えば自分に霊感があるなど、そんな人がこの作品を見ると、最後の最後にどんでん返しをくらいます。カーテンを閉め切った広い屋敷に住む彼女には子供を太陽の光から守る必要があったのです。病気で苦しむ娘を守るために毎日カーテンを閉めては太陽の光が入らないようにしていました。その動作は、必死に娘を守る母親の姿でした。母親は子供を守るために亡くなった後も必死に生きていたのです。そうです、亡くなっていたのはその母親と娘の親子だったんです!この事実に私は最後鳥肌が立ちました。タイトルの”アザーズ”というのは自分そのものだったという事実に『そういうことか、、、』と私は最後の最後まで騙されながら作品を見ていた自分に驚きました。なぜここまで騙されてしまったのだろうかと、疑問が湧いてきました。人の持つ感覚というか、先入観みたいなものによってまんまと騙された私は、事実を知った時、背中に小さな氷を入れられたような身震いを感じていました。今までみたホラー作品とは一味違う感情が体全体を覆いました。

本当の”アザーズ”だったのは主人公だったという衝撃的事実に驚きました。

自分は生きていると勘違いしていることに気づいた彼女の表情は何とも言えない悲しく切ない印象を受けました。そしてさらに彼女本人がその事を信じられず、受け入れられない状態にあることが見ている私にもヒシヒシと伝わってきました。普通に生きていると思っていた彼女に突然分かる事実、それは自分は生きていない、死んでいる、という残酷なものでした。だとすると、自分の周りで起きていた回帰現象のようなものは、本当に生きている側の人の気配を幽霊である自分が感じていたということで、回帰現象を実際に起こしていたのは自分だったなんてこれほど恐ろしいことがあるのでしょうか。太陽の光を避け、毎日カーテンを閉めていた彼女、娘を守るためのその行動は、生きている側からしてみたら恐ろし回帰現象が起きていると感じるのは当然です。回帰現象を収めるために幽霊をこの屋敷から追い出すために必死になっていました。先入観のままこの映画を見ていると主人公の母親がカーテンを閉めたはずなのに誰かが勝手に開けてしまう、見知らぬ人が家族会議をしている声が聞こえてくる、娘が子供の姿を見たと言う、この事全てが”真逆”だったんです!信じられない結末に驚きを隠せませんでした。ついに彼女は”自分の墓”を見つけてしまいます。これは疑い続けた彼女にとって、認めるしかないという決定的証拠となります。自分のお墓を目にする気持ちはどんな感じなんでしょう。今の人生を諦めるしかないでしょう。無事に成仏出来るのでしょうか。そんな疑問ばかり浮かんできました。彼女にとっての居場所はもうこの屋敷ではなかったのです。

衝撃が大き過ぎてこの作品が頭から離れませんでした。

信じていたものが一瞬にして無くなる時、人は身動きさえ出来なくなるのでしょう。もし今私がいる世界が偽りのもので、私は誰にも見えない、つまり死んでいる状態だとしたら、、と考えてしまいました。その瞬間に、自分とは全く違うところで世界が動いているという事実は、成仏出来ずに亡くなった人が体験する世界なのかもしれません。この世界に未練や恨みを持ったまま亡くなると人は成仏出来ずにこの世界を漂うのです。そんな姿がこの作品には記されているのでしょう。見る前はこんな結末を迎えるとは思ってもいなかったので、ある意味裏切りを感じた映画です。主人公が幽霊に怯えているというものを描いているとばかり思っていましたが、そうではなくて主人公自身が成仏出来ない幽霊で、自分が亡くなったことさえ知らないという設定で、主人公の幽霊の悲しくやり切れない思いが詰まった物語でした。今までにないストーリー展開に私は一気にこの作品が大好きになりました。恐さを感じていたはずが、最後には切ない気持ちでいっぱいになりました。母親は、亡くなった後もずっと娘が太陽の光を浴びないように必死に毎日カーテンを閉めて、娘を守り続けていました。そんな姿が逞しくも見えました。母親は、亡くなっても娘を守るために生きているんだと感じました。タイトルの”アザーズ”とは、他人という意味を示し、”自分ではない誰か”という意味を持ちます。私が今生きている世界とは違い死後を彷徨う女性の姿が描かれているということです。単語1つに深い意味をいくつも持つという英語は、こんな作品にはもってこいの語学だと思います。隠された意味をいくつも持つ英語だからこそこの作品には合っていたのです。このタイトルだからこそ先入観によってストーリーの本来の意味を騙され見てしまうという、作者が意図していた罠に引っかかってしまった私は、この作品を忘れることができないくらいの衝撃を受けました。

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