ゲッターロボシリーズの入り口としては!? - ゲッターロボ號の感想

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ゲッターロボ號

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映像
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ストーリー
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キャラクター
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声優
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音楽
5.00
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ゲッターロボシリーズの入り口としては!?

5.05.0
映像
5.0
ストーリー
5.0
キャラクター
5.0
声優
5.0
音楽
5.0

目次

ゲッターロボシリーズの中では、一番ロボットアニメらしい

初代ゲッターロボも面白いですが、そうとう昔のアニメなので、やはり映像が厳しいです。入り口として観るには、「ゲッターロボ號」は、映像も綺麗だし、入りやすい作品だと思います。また初代ゲッターロボは、合体・変形機構がアニメ独自の空想科学の要素が強いため、コンセプトややりたいことは理解できても、どうしてもゲッターロボそのものに違和感を感じます。何もないところから、腕が生えてきたり、角が生えてきたり、とメカニカルデザインとしては無茶苦茶な感じが否めません。初代ゲッターロボの合体・変形機構を完全再現した玩具もありますが、どう考えても、後から考え直したものです。なので、アニメで描かれている合体機構と違う部分はあるし、無理矢理に再現しました感が否めないものになっています。

しかし、ゲッターロボ號については、メカニカルデザインをしっかり練り込まれていますので、変形・合体機構がしっかり設定されているのが良い点ではないでしょうか。それぞれ3機の戦闘機が合体して、合体そのものの組み合わせで、3種類の別々の形態になるという設定は、とても斬新だったように思います。

白兵戦用と空中戦、海中戦で戦えるというのが、凄くカッコ良いし、よくできた発想とデザインですよね。

「創聖のアクエリオン」という作品がありますが、メカデザイン面でいえば、その原点にあるアニメ作品なのではないでしょうか。戦闘機の合体、組み合わせで、人型ロボットの形状や機能、得意分野が違うというのは、明らかにゲッターロボを意識したもののように思います。

そして武装も、初代ゲッターロボより多いのが魅力的だったように思います。ナックルボンバーという武装は、マジンガ―Zの要素を受け継いでいるのか、ロケットパンチを思い浮かべてしまいますね。

女性パイロットの起用

これも初代ゲッターロボの流れから、大きく思い切った要素のように思います。ゲッターロボ2は神隼人という気難しい男性キャラクターがパイロットでしたが、それに該当する今作品のゲッターロボ翔の形状では、橘翔というゲッターロボ開発者の実の娘がパイロットというのが、大きな変化だと思います。確かに男性キャラクターである理由もないし、そうすることで、物語の展開が、初代ゲッターロボより豊かになった気がします。

こういった部分も制作者側の工夫といえるのでしょうね。

「鉄人28号FX」との比較

物語序盤は、ゲッターロボの武装についてがテーマだったように思います。ゲッターロボを開発した橘博士は、ゲッターロボに武装することを躊躇っていましたが、戦いの中で、命を落としてしまうことでゲッターロボの武装に踏み切っていきます。同じテーマを掲げていたのが、ロボットアニメというジャンルは同じでも、少し毛色が違う「鉄人28号FX」というアニメ作品なのだと思います。

両作品の印象的なところは、同じテーマを掲げながら違う結論を導き出している点です。

武装する、しないの2つの選択肢で、両作品はそれぞれ逆を選んでいることが面白い部分なので、取り上げさせて頂きました。武装することを選んだゲッターロボ號は、その後、物語が進行していく中で、さらに武装を本格化させていきます。そもそも、戦闘用に開発したロボットではなかったはずなのに、結果的には戦闘用のロボットになってしまいました。言い方を変えれば、兵器といえるでしょう。それは開発者からすれば、目的や使用用途が逸れていくことへの葛藤があったと思うのです。結果的に、自衛の為、武装化することを選んだのがゲッターロボです。

それと比較して、反対の武装しないことを選んだ「鉄人28号FX」の物語の展開も面白いですよ。幾度となく、武装することの葛藤を描かれています。しかしこの作品の中では、頑なに武装することを拒むのです。物語中盤までは、このロボットに搭載している特殊システム「超電動」によって、切り抜けていきます。しかし、主人公ロボットと同じく、「超電動システム」をもった上で、武装している敵対ロボットが出現することで、問題が浮き彫りになっていきます。しかし、結果的には鉄人28号FXは武装しないまま、最後まで戦い抜く結論に至ります。

それぞれ同じテーマを描きながら、別々の答えを出していることに面白みがあり、色々なことを考えさせてくれる気がします。

現代社会においても、日本が世界紛争にどのようなかたちで関わっていくのか、大きなテーマになっています。それはロボットの武装ということに重なる気がするのです。もちろん、制作側もそれを意図して、テーマを掲げて、これらの作品を仕上げられたのだと思うのです。

それぞれの作品が出した答えを、観た方がどのように受け取るのか、考えさせるものだと思います。ただひとつ言えるのは、「鉄人28号FX」「ゲッターロボ號」と選んだ結論は違います。しかし、強いメッセージを打ち出しているわけではなく、それぞれ皆さんで考えて下さい、というスタンスのように思います。

「武装」について考え、それぞれ皆さんで皆さんの答えを導き出すべきなのではないでしょうか。

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