金色の妖精と黒い死神のワルツ
架空のヨーロッパ小国・ソヴュールを舞台にしたゴシックミステリー。
「先の大戦」や「極東の島国」など現実世界の出来事や地理を取り入れながら、展開していく。
「灰色狼」と呼ばれる美少女ヴィクトリカ。彼女は最初、漆黒のドレスを着ていた。原作や漫画版でも黒がメインになっていたがアニメ版では徐々に明るい色へとなっていく。これは同じく孤独な「死神」・久城一弥に心を開いていく過程をドレスの色に現してるのではないだろうか。
様々な猟奇的殺人事件を経験しながら常に無感情に接していたヴィクトリカだが久城との出会いで徐々に「人間」のような喜怒哀楽が現れ、アニメ版23話・24話はとくに感情豊かに描かれていた。
戦争によって久城が祖国へと還され、悲しさで初めて大声で泣きじゃくったシーンが私の中ではとても印象に残っている。今までの封印していた悲しみ、怒り、悔しさ、そして久城に対する愛しさの全てを放りはなったような、「灰色狼」の泣き声だった。
また、クリスマスの学園祭でヴィクトリカは久城に黒い箱でラッピングされた指輪をプレゼントした。この黒い箱、初期のヴィクトリカのドレスの色と同じだがどこか違った。久城が探し当てられないようにわざと黒く小さな箱にした意地の悪さと、本当は見つけてほしいという矛盾しながらも可愛らしい「皮肉」のように描いているのではないかと思う。
最終回にて再会できた二人。
これからの二人の行く末を見てみようと思う。
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