テリー・ギリアムにしては珍しく、現実と虚構が見事に融合した人間ドラマ。 - フィッシャー・キングの感想

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テリー・ギリアムにしては珍しく、現実と虚構が見事に融合した人間ドラマ。

5.05.0
映像
5.0
脚本
4.3
キャスト
3.7
音楽
4.7
演出
5.0

ある日、人気ラジオDJジャックの発言が大きく関与し、幾人かの犠牲者が出る大事件が起きる。3年後、かつての地位も名誉も失いビデオ店で働く彼が、彼を聖杯伝説の英雄だと思い込む少々頭のイカレたホームレスと出会う。ジャックはその後、そのホームレスのハリーが実は3年前のあの事件で妻を失ったことを知るのだが・・・

ロビン・ウィリアムズのいい人っぽいところが好きではない。演技もいいし、存在感もあるし、出演映画はわりと好きなものばかりなのだが、ロビン・ウィリアムズはなんとなく食指が動かないのだ。
だが、この映画のロビン・ウィリアムズはイイ!!文句なしだ!

ロビン・ウィリアムズが出ると、映画はどれもロビン・ウィリアムズの作品みたいになっちゃうけど、これは監督テリー・ギリアムの色濃い作品だと思う。美しい。美しいがどうも現実離れしていて今ひとつ踏み込めないど迫力映像。だが、この作品はその浮き世じみた虚構世界が珍しく現実世界とうまく融合している。
ジャックとハリーはどちらも傷を負う人間で、現実世界では色を無くしているようで、だけどハリーの頭の中は妄想と感情が鮮やかな色で描かれる。
例えば、恋する彼の彼女を見つめるシーンは、それはもうホントに現実離れはしているけれど、誰かに恋をするって「そう、まさにこれ!!」な映像なのだ。

ラストはまさにロビン・ウィリアムズって感じ。この映画はそれが良かった。



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