一見、ハーレムものだけど、皮肉やシュールな笑いが漂ってる
例にもれず、勝手に改造から続く久米田漫画の世間を皮肉ったシュールな読み切りギャグ漫画。文字数が多めで読み応えはあります。細かく羅列されたこんな奴あるあるネタを読むのも面白い。時事ネタも織り交ぜているので、連載当時の話題を思い返しながら読めるのもいいです。世界情勢を皮肉ったブラックジョークねたにほんの少しひやひやすることもあったりなかったり。
女の子がいっぱい出てきて、先生が黒一点だから一見、ハーレムものかと思いきや、女の子はどこか頭のねじがぶっ飛んでるメン○ラ女子ばかり。自殺願望が強い? メンタルの弱い先生は振り回されっぱなしです。キャッキャウフフな女の子ばっかりのハーレムものは、歳を重ねるごとに見るのが辛くなるものですが、ブラックユーモアや人間の闇を大っぴら気に見せられると、いい感じに中和されて、俄然見やすい作品となりました。
最終回は結構衝撃的でしたね。伏線をはっていたのかは定かではありませんが、次々に裏設定が明らかになっていった最終回には、そう来たか…と感心してしまいました。この真実を知ってから、一巻から読みなおすと、また新鮮な感じで読めますね。久米田先生は狙っていたと公言していますが、その通りかもと納得する箇所も。(ネットで確認しましたが)それにしても、最後の一コマに出てきたウェディング姿のカフカは一体誰が依代になっているの? という大きな謎が残りました。カフカ自身(本名は赤木杏でしたっけ。赤毛のアンをもじってる)の魂が具現化した姿だと思いたい。クラスの少女たちそれぞれに移植された赤木杏の臓器に宿る魂が再び寄り集まって、最後の最後に先生の前にお披露目。最初に出会ったのもカフカ。最後もカフカ。結婚相手ははじめから決まっていたのかも。そして、先生は晴れて死ぬことができて、赤木杏と死後結婚。これで、ある意味ハッピーエンド? いろいろな解釈ができるいいエンディングでした。
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