ジェンダーについて深く考えさせられる漫画
時は平安時代。一夫多妻制が一般的だった時代に、同じ日にふたりの妻から子どもが生まれます。ひとりは男の子でもうひとりは女の子。しかし、性格はまったく反対。まるで女の子のようにおしとやかで大人しく、部屋の中で遊ぶのが好きな男の子。そしてまるで男の子のように、元気いっぱいで好奇心旺盛、蹴鞠遊びが好きな女の子へと成長していきます。それぞれ健やかに成長するものの、ついに成人の儀式を迎えます。男の子は「女性」としての成人式、女の子は「男性」としての成人式をそれぞれ迎え、性別をとりかえた生活が始まるのです。男の子は男性らしく勇敢に、女の子は女性らしくおしとやかに、という風習は、古い時代から残り続けている固定観念です。「こうあるべき」と押しつけられた型にはめられ、本来の自分とのギャップにもがき苦しむことになるのです。現代では随分と男性、女性への固定観念も薄れてきました。「こうあるべき」という固定観念に縛られ、自分自身を出せず、もがき苦しむ人生は楽しいのでしょうか。それなら、勇気をもって型を壊す行動に出たほうが、自分も楽になる場合もあるのではないでしょうか。性同一性障害や同性愛についても、現代の日本より海外の方が理解は進んでいます。男性、女性というくくりをはずし、同じ「人間」という理解を示せば、ジェンダーの理解も深まるのでは、と考えさせられる漫画です。
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