変えられない過去 - 天使のくれた時間の感想

理解が深まる映画レビューサイト

映画レビュー数 5,784件

変えられない過去

4.04.0
映像
4.0
脚本
4.0
キャスト
4.0
音楽
4.0
演出
4.0

あの時選ばなかった選択をしたらどうなっていたか。というテーマでパラレルワールドものが展開されるのは映画でも漫画でもよくある話。元の世界に戻ったらパラレルワールドで得た知識や経験をもとに同じようにして、パラレルワールドを自分の世界で再現するというパターンは特にお約束。

けれどこの映画は違うと感じた。

ラスト、現実に戻ってきた主人公はパラレルワールドで知ってしまった暖かな家庭を取り戻そうとしているように見えるけど、監督は恐らく「取り戻すのではなく、これから作っていく。過去は変えられないけど、未来は作れる」という風に見せたかったんじゃないかと思う。

何故ならパラレルワールドでは主人公とヒロインは理想のアットホームな夫婦。けれど現実では二人ともバリバリのキャリア。歩んできた道が違っていて経験も考え方も全く異なっているのだから、簡単にパラレルワールドの時のようにはなれない。

もしパラレルワールドの再現が簡単に出来るような話にするのなら、監督はヒロインをあんなバリバリのキャリアウーマンにしなかっただろうと思う。空港でヒロインは搭乗せずに主人公の呼び掛けに足を止めたけど、二人とも仕事はほったらかしにしているし、絶対に大変なことになる。

最後は二人で語り合う画で終わったけれど、上記のように大団円にはならないと感じていた私にとっては「ご都合主義過ぎる」作品とは違って見えて良かった。

あなたも感想を書いてみませんか?
レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。
会員登録して感想を書く(無料)

他のレビュアーの感想・評価

私のバイブル『天使のくれた時間』

破られた約束将来の仕事の為に、ニューヨークからロンドンへと留学に旅立つジャック。見送る恋人のケイトはやっぱり行かないで、二人で一緒にいようと泣き出す。けれどジャックは、「必ず君の元に帰ってくる」とケイトを残して搭乗口に消えてしまう…。それから13年、ジャックはケイトの元には帰らず、ウォール街で金融会社社長として成功し、仕事が命の独身貴族。豪勢で悠々自適な生活を送り、女性関係も奔放に過ごしている。でもクリスマスイヴの夜、家族の元へ急ぐ社員たちをよそ目に、雪が舞う中エッグノックを買いに立ち寄った店で起きたトラブルを解決したお礼をしようとする黒人青年、キャッシュに「欲しいものは全て持っているから」と断ると青年は「本当だな?」と念を押して去って行った。空港でのケイトの涙は、未来の別れを予感したものだった。泣きじゃくる不安そうな姿にこちらまで悲しくなる一方、ジャックはもう気持ちはロンドンと自分の未...この感想を読む

5.05.0
  • mickymicky
  • 694view
  • 2900文字
PICKUP

後悔しない人生

愛する人主人公のジャックは仕事一筋な男。欲しいものは金で何でも手に入ると思っている。でも手に入らないものだってあった。それが愛する人ということ。でもジャックはそれに気づいていない。そこで違う選択をした場合の人生を体験することになります。最初は状況の変化にとまどい混乱します。でも子供ってすごいですよね。これはジェックの潜在的な意識なのか本当にファンタジーで別の時間軸に来てしまったのかわかりませんが、ジャックのことを本物のパパじゃないことを娘のアニーは気づきます。でも家族と過ごすうちに自分に手に入らない愛するということに気づき、アニーもおかえりなさいパパと。でも切ないのが、そのことに気づいてしまったら戻らなくてはいけないということ。帰りたがらないジャックの心情を考えると、このままこの世界にいさせてやってほしいって思ってしまいました。対比が素晴らしいこの物語は最初ジャックは留学へ行くのを空港...この感想を読む

3.53.5
  • ころなころな
  • 220view
  • 1027文字

関連するタグ

天使のくれた時間が好きな人におすすめの映画

ページの先頭へ