号泣しました。
とても好きな作品です。
「おまけの」小林くん、という響きの切なさに、読んでいく中で気付かされました。私は「おまけ」イコール「嬉しいもの」とばかり捉えていたので、少し意外で、だからこそ哀しかったです。
最後まで読み終えてみると、小林くんメインの話はむしろ少なかったように感じるくらい、他の小林3人が魅力的に描かれていて、作中で大きい小林くんが「おまけにもあたりとはずれがある」と言ってましたが、他の3人を励まし引き立て輝かせる、大当たりの「おまけ」だったんだなぁと感じました。
吹雪ちゃんと健吾くんがくっついてからはホントにおまけになっちゃった感のある小林くんですが(笑)、とても愛おしかったです。
結局、この作品の「おまけ」のキーワードで描かれているのは、それぞれのコンプレックスだったんだろうなぁと思うと、それぞれのコンプレックスが絡み合って混ざり合って最後には解きほぐされていく、その中心にあったのが小林くんだったと思います。他人のことばかり気にして、最後まで自分のコンプレックスを隠し続けていた小さな男の子が、私の中ではやっぱり主人公だなぁと思いました。
森生さんの作品は、少し影のある作品が多いですが、そういう影の部分を強く感じた作品でもありました。誰にだってある小さなコンプレックスが、とても丁寧に描かれていて、何度読んでもうるっとくる、とても好きな作品です。
余談ですが、他の作品を読んでみて、作者の好みからいくと吹雪ちゃんとくっつくのは最初から健吾くんに決まってただろうなぁとも思いました(笑)
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