ただのゾンビものじゃない。
私は所謂ゾンビものが好きで、映画にもなったゲーム「バイオハザード」なんかも一通りプレイしたし、最近で言うと海外ドラマ「ウォーキング・デッド」も全部見て、ウォーキング・デッドの為にスカパーを契約しちゃうほど。
そんな私が、ゾンビものの漫画で唯一はまっているのがこの「アイアムアヒーロー」だ。
(ただし、ゾンビとは言わずZQNと呼んでいるが)
この作品の面白い所は、人間同士の関係が複雑に絡み合いながら、主要人物が容赦なく感染しフェードアウトして行く、そんな容赦ない展開にあると思う。
主役は英雄なのだが、巻では重要人物・コロリ編、クルス編など、登場する英雄編とはまた別のストーリーもあり、わずかではあるが英雄編の登場人物と繋がりがあることを示唆していたりする。
これから英雄編と交差する可能性も大いにあり、楽しみである。
私は本誌は未見でコミックスのみしか読んでいないが、その時点では英雄に、この世界で生きていく中で守るべき存在=彼女(比呂美)が出来、それまで小田と三角関係のようになっていた状態から、小田の死によって奇しくも安定した「幸せ」とも言える関係を築くことができている。
付き合いたてのカップルとは、ラブラブで盲目なものだ。
どうやら比呂美は結構なやきもちやきなようだし、小田を直接死に追いやったのは比呂美である所から、この先も少なからずその罪悪感に苦しみながら英雄と付き合っていくような気がするので、小田は死んだけどまだ漫画の中で存在を意識する機会はありそう、な感じがする。
どのゾンビものでもそうなのだが、感染した仲間にトドメを刺した者は、感染してしまったとは言え人であり仲間だったものを手にかけたと言う十字架を、心に重く背負いながら生きていくものだ。
比呂美はまだ高校生で、しかも嫉妬し「いなくなったらいい」と一瞬でも思ったであろう恋のライバルである小田のことを手にかけたということを、簡単に忘れられないだろうし、これから何らかの形で小田の亡霊に苦しめられることもあるかもしれない。
そうだとして、それをどう乗り越えるか、もしくは乗り越えられず死を迎えるのか。
これからも目が離せない。
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