仮説と実証が実に面白い
事件解決に行き詰った刑事が天才物理学者の力を借り解決に至るという至ってシンプルなドラマ。しかし、1話の中に、問題、経緯、仮説、実証、解決と気持ちのいいほどの完璧な展開。仮説を立てているときはなんだか難しい話をしていると感じるが、解決のテーマ、あのギターチューンの挿入曲が実に気持ちいい。 何の計算をしているかはわからないが一心不乱にペンを走らせる福山の姿にあのテーマがかかったら、少し悔し思いになる。「・・・先に答えを出したかった」と。刑事ドラマでは「犯人は誰か」というものが主流だが、このドラマは「なぜ起こったか」。もはや犯人には興味はでなくて、現場の状況はこうでした。さあなぜ起こったでしょうか?というクイズに知らない間に巻き込まれている。仮説をたてている間は視聴者に与えられたシンキングタイム。そして実証されるから気持ちがいい。私は理屈っぽいのでいろんなドラマにいちゃもんをつけて一人で勝手にもやもやしてしまうが、これならすっきりエンディングを受け入れられる。皮肉な結論がでた回では、ちょっとした衝撃がまたきもちがいい。
また事件としては1話完結なので1回見逃しても大丈夫だが、人間関係は全回を通して描かれているのでもう一度見たくなる。回を追うごとに柴崎コウと福山雅治との距離が近くなっている気がするが、なんとももどかしい関係が1話完結物を一つにグルーピングしているから、やっぱり1回見逃すのは惜しいかな。
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