現実と成長
家族もいない、友達もいない、あなたには何もないと、言われ自分の殻を閉ざしたままの主人公 零。
ひょんなことから近所の家族と出会い夕飯をご馳走になったり何処かへお出かけしたりしていくうちに少しずつ心を開き、楽しいことや嬉しいを表情に出せるようになる。
1人でお金を稼ぎ1人で生きているような気持ちになる零だが風邪をひけば色々な人が心配してくれる。悩みがあれば話を聞いてくれる。そんな環境に零はだんだんと表情豊かな人間になります。
印象深かったのはお世話になっている家のひなたちゃんのイジメ。友達を庇ったことから標的がかわり、ひなたがイジメを受けるようになります。
ひなたの為にちょっと間違えた方向ながらもなんとか助けようとする零に涙が出ました。おじいちゃん、お姉さん、そして学年主任の行動でひなたのイジメは解決します。担任の先生の不甲斐なさ、クラスのみんなの無関心さ、そんなものを現実に娘が受けたらと思うと締め付けられる思いでした。
画力も勿論ですが、感情の表れをとても上手く迫力あるものに仕上げてくれる作家さんです。
何と言っても零のプロポーズシーンは堪りません。こんな場面で!?と驚きますが、今までの零の行動や言動を見ていると、とにかく応援したくなる素敵な主人公です。
他人の家庭に口がなかなか出せない世の中に零は自分が嫌だからとちゃんと意志を持って戦う姿は見習いたく、子供に伝えたくなりました。もう少し大きくなって漫画を読めるようになったら絶対に読ませて家族で話し合いたい作品です。
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