どの世代にも - 白い巨塔の感想

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ドラマレビュー数 1,147件

どの世代にも

4.54.5
映像
5.0
脚本
4.0
キャスト
5.0
音楽
5.0
演出
5.0

はじめはとても良い人柄のはずだった主人公が医療という難しい世界で自分は最先端にいたい。理想の医療界を創るんだという熱い想いを持って生きていくという内容になっています。医療というのは、生きている全ての人達に必ず関わってくるとても大事な機関です。わたしは、普段から結構病院に通っていますがまだまだわからないことはたくさんあります。その反面、知らなくていいこともあると思います。この作品を見るまではそんなに興味を持っていなかったり知りたいと思わなかったことまで、良い意味でも悪い意味でも病院に対していろんな視線から物事を見られるようになりました。主人公の財前五郎はどんなに汚い手を使ってでもより良い医療を追求していきます。その逆で同僚の里見修二はとてもいい腕と能力を持っているが、間違っていることに対して周りに関係なく自分の意見を突き通そうとする。その姿を見ている財前五郎は自分も昔はそうだったと思うようになり、なぜ自分がこんなにもずるい奴になってしまったのかと考えるシーンもあるが、今の医療に対して不満しかない財前五郎には自分がこの医療界を変えなくてはならないという使命が自分の中であったのだと思う。その理想的な医療界を創り上げる為ならばなんでもやるという気持ちとは裏腹に本当にこんなやり方でいいのだろうかと迷う気持ちが本来の財前五郎の人間らしさが戻った瞬間だとわたしは思った。この作品を見て、夢や口だけでは決して理想の医療界はできないということ。一度定着してしまったことを変えていくということは人間的な部分は捨てていくしかないということ。汚い手を使わなければ変えられないことをある。それは、その人の人間性に関わってくることだから、単純にこのドラマを見ているだけだと財前五郎がどんどん嫌なやつになっていくというところしか見えてこないと思います。しかし、今の医療のニュースなどを見ているとこういうことをしてくれる人間がいないと医療界は変えられないのではないのかとも思いました。財前五郎の生き方も里見修二の生き方もどちらが正しいのかわたしにはわかりません。そして、この作品を見た方の意見は真っ二つに別れると思います。でもわたしはそれでいいと思います。意見などみんな同じになるわけがないですし、みんな違うのは当たり前だと思います。このドラマを見てこれからの医療に対して自分も含めもっと興味を持って今の医療界を変えたいと思ってくれる人がたくさん出てきてくれることを楽しみにしたいですね。将来日本の医療がどこまで変わっていけるのかを。

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他のレビュアーの感想・評価

白い巨塔

山崎豊子さん原作のドラマの中でも傑作中の傑作。出演者が本当に豪華でびっくりするほどでした。イメージは、黒の財前医師と白の里見医師がはっきり区別されていて、里見医師役の江口洋介さんの純粋さが際立っていました。財前医師役の唐沢寿明さんはすごくシリアスな演技で恐ろしいくらい気迫が感じられました。医療に対するアプローチは真逆だけど、医師としての志は同じというところが、どちらかがいいとか悪いとか、それだけでは片づけられない内容になっていて、ドラマではあるものの、医療についてかなり考えさせられましたね。医師同士の矛盾や戦いがメインとなっていますが、出演者を見ると女性陣のキャラがすごく濃く豪華なので、かなり見ごたえがあります。もちろん、医師たちの駆け引きや教授になれるかなれないのかを楽しみに見るのは一つですが、妻や娘たちの戦いも本当に面白いのでそちらを中心にして見るとハラハラ感を感じられました。特に...この感想を読む

4.54.5
  • bettybetty
  • 565view
  • 590文字

白と黒について

作品は、白と黒。明と暗。を芸術的に本当に上手に構図のように正確に。寸分のくるいもなく緻密に計算されて撮影されたと思うと、ぞっとするほど素晴らしいものだと思います。主人公の白と黒。主人公の財前。野心にあふれ成功するためには手段を選びません。もう一人の主人公の里見。研究に没頭し成功、野心は患者ありきといった人です。高級マンションに住み派手な妻を持ち愛人と医療について語る財前。狭いアパートに住み妻と子供とつつましい生活をする里見。対照的な二人を主人公にすることで白い巨搭はより白く、白が際立てば黒はより黒く巨搭へ物語は進みます。明と暗白い巨搭で有名な回診。最初は東が財前、他医師、看護師を従え病室を回るが財前に追い詰められ大学病院を追われる事が決まり最後の回診には誰も後ろにはいない描写が印象的。変わって財前が東を塗り替えるかの如く医師、看護師を従え回診をする。エンディングの歌はアメィジング・グレ...この感想を読む

5.05.0
  • namiko1128namiko1128
  • 329view
  • 729文字

白い巨塔

白い巨塔といえば田宮二郎演ずる旧作、唐沢寿朗演ずるリメイク版があります。私はリメイク版のほうが好みなので何回も見ています。東教授と財前との確執を描いたものであったかのようにドラマは進んでいきます次期教授にだれがなるのかがドラマの見どころになっていますが財前の誤診で話が大きく展開します。医療訴訟です。財前と国が遺族が訴えられます。財前は徹底抗戦の構えで裁判に臨んでゆきます私は医者ではありませんが人を殺してしまったとしたら多分もう医療行為に携わることはないと思いますそのさなか財前は肺がんになり財前望む執刀医はかつての恩師東先生となります。しかしながらキーパーソンである里見先生の登場で大きく流れは変わってゆきます。はたして私が里見先生のような立場に立たされたとき同じような行動をとることができるか想像もつきません。男らしいというか馬鹿正直というか正義感に満ちているというか常人ではかなり難しい判...この感想を読む

4.54.5
  • なおゆきなおゆき
  • 295view
  • 588文字

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