白と黒について - 白い巨塔の感想

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ドラマレビュー数 1,147件

白と黒について

5.05.0
映像
5.0
脚本
3.5
キャスト
3.0
音楽
3.0
演出
5.0

作品は、白と黒。明と暗。を芸術的に本当に上手に構図のように正確に。寸分のくるいもなく緻密に計算されて撮影されたと思うと、ぞっとするほど素晴らしいものだと思います。

主人公の白と黒。

主人公の財前。野心にあふれ成功するためには手段を選びません。

もう一人の主人公の里見。研究に没頭し成功、野心は患者ありきといった人です。

高級マンションに住み派手な妻を持ち愛人と医療について語る財前。狭いアパートに住み妻と子供とつつましい生活をする里見。

対照的な二人を主人公にすることで白い巨搭はより白く、白が際立てば黒はより黒く巨搭へ物語は進みます。

明と暗

白い巨搭で有名な回診。最初は東が財前、他医師、看護師を従え病室を回るが財前に追い詰められ大学病院を追われる事が決まり最後の回診には誰も後ろにはいない描写が印象的。変わって財前が東を塗り替えるかの如く医師、看護師を従え回診をする。

エンディングの歌はアメィジング・グレイス。

この歌に載せ巨大な白い巨搭を掴もうと手を伸ばすものの完成したかのような白い巨搭は小さな宝石、ダイヤモンドダストのようにはらはらと上から儚く崩れていく…ドラマと同じ描写がエンディングで使われています。

白が際立てば際立つほど黒い影がそこには出来る。黒い影が白を作り出しているのかもしれません。

財前が手に入らなかったのは里見と白い巨搭です。財前が全てを捧げ作り上げた白い巨搭は最初に入った小さな黒い点大きくなり飲み込むかのように崩れ落ちます。

財前は末期の癌に犯され体を引きずり診察を願い出たのは里見の所です。

里見には白い巨搭はありません。それを支える家族は白い巨搭に属さない事による不安、葛藤もあります。

白い巨搭に属さない事が善とは言えない部分も描かれています。

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他のレビュアーの感想・評価

どの世代にも

はじめはとても良い人柄のはずだった主人公が医療という難しい世界で自分は最先端にいたい。理想の医療界を創るんだという熱い想いを持って生きていくという内容になっています。医療というのは、生きている全ての人達に必ず関わってくるとても大事な機関です。わたしは、普段から結構病院に通っていますがまだまだわからないことはたくさんあります。その反面、知らなくていいこともあると思います。この作品を見るまではそんなに興味を持っていなかったり知りたいと思わなかったことまで、良い意味でも悪い意味でも病院に対していろんな視線から物事を見られるようになりました。主人公の財前五郎はどんなに汚い手を使ってでもより良い医療を追求していきます。その逆で同僚の里見修二はとてもいい腕と能力を持っているが、間違っていることに対して周りに関係なく自分の意見を突き通そうとする。その姿を見ている財前五郎は自分も昔はそうだったと思うよ...この感想を読む

4.54.5
  • つばきつばき
  • 793view
  • 1060文字
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白い巨塔

山崎豊子さん原作のドラマの中でも傑作中の傑作。出演者が本当に豪華でびっくりするほどでした。イメージは、黒の財前医師と白の里見医師がはっきり区別されていて、里見医師役の江口洋介さんの純粋さが際立っていました。財前医師役の唐沢寿明さんはすごくシリアスな演技で恐ろしいくらい気迫が感じられました。医療に対するアプローチは真逆だけど、医師としての志は同じというところが、どちらかがいいとか悪いとか、それだけでは片づけられない内容になっていて、ドラマではあるものの、医療についてかなり考えさせられましたね。医師同士の矛盾や戦いがメインとなっていますが、出演者を見ると女性陣のキャラがすごく濃く豪華なので、かなり見ごたえがあります。もちろん、医師たちの駆け引きや教授になれるかなれないのかを楽しみに見るのは一つですが、妻や娘たちの戦いも本当に面白いのでそちらを中心にして見るとハラハラ感を感じられました。特に...この感想を読む

4.54.5
  • bettybetty
  • 639view
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白い巨塔

白い巨塔といえば田宮二郎演ずる旧作、唐沢寿朗演ずるリメイク版があります。私はリメイク版のほうが好みなので何回も見ています。東教授と財前との確執を描いたものであったかのようにドラマは進んでいきます次期教授にだれがなるのかがドラマの見どころになっていますが財前の誤診で話が大きく展開します。医療訴訟です。財前と国が遺族が訴えられます。財前は徹底抗戦の構えで裁判に臨んでゆきます私は医者ではありませんが人を殺してしまったとしたら多分もう医療行為に携わることはないと思いますそのさなか財前は肺がんになり財前望む執刀医はかつての恩師東先生となります。しかしながらキーパーソンである里見先生の登場で大きく流れは変わってゆきます。はたして私が里見先生のような立場に立たされたとき同じような行動をとることができるか想像もつきません。男らしいというか馬鹿正直というか正義感に満ちているというか常人ではかなり難しい判...この感想を読む

4.54.5
  • なおゆきなおゆき
  • 339view
  • 588文字

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