こんな友情あり得ないけど、うらやましい
児童文学としては、ややハードルが高いかと思う。
オオカミとヤギという食うものと食われるものが、友達となることは出来るのか。とても難しい話です。
こどもは素直に、ガブはメイを食べないよ、お友達だから。と言えるのですが、大人はそうはいきません。
すごくひねくれた見方をしてしまいます。実際には無理。これはおはなしだから。
ではおはなしとしては。とても面白い。アニメで動いてくれると、ガブのダメおおかみっぷりやメイの真面目さや素直さがより伝わってきて、この2匹だから友達になれるんだなあと納得させられるのです。
映画を見たんだけど、媒体によってラストが違ってたりがありますね。
あらしのよるにお互いの姿はわからない状態で友達になった2匹は、お互いの群れを裏切り、2匹で逃げることになります。
逃げる途中でケンカをしたりしながら、やがて追いかけてきたオオカミの群れに追い詰められる。
この、雪山の中を逃げる途中で、もう歩けない逃げられないと思ったメイがガブに自分を食べろ頼むところが、グッときます。
結局は雪崩がおきて、追手とともにガブが巻き込まれ、メイはひとりに。やがて年月が過ぎ、奇跡的にガブと再会します。
が、ガブは雪崩のショックからか、メイをわからず、ただのエサとして襲おうとします。
この辺はよくある展開ですし、いいけれど、メイが「いっそあのあらしのよるに出会わなければ」と叫んだことでガブの記憶が戻るというのは、キーワードに頼り過ぎなんでは?と思う次第。これも大人の目線なのか。こどもにはわかりやすくていいのかな。
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