有限と微小のパン
まず、タイトルが全作品の中で1番好きです。
さて、内容ですが、テーマパークで殺人事件に巻き込まれるというシンプルなものです。
そこに真賀田四季が絡んでくるので非情に面倒なことになります。
この作品は同窓会的な雰囲気もあります。
島田さんというS&Mシリーズ1作目で出てきたプログラマーが出てきます。
少しうれしくなりました。
事件は不可能な事象どんどん起こるというものですが、要は劇団的なオチです。
それより今回は真賀田四季について書きたいと思います。
冒頭から出てくる物静かな女性。怪しすぎます。
結果的に真賀田四季本人なのですが、可愛すぎます。
さらに真賀田四季を好きになりました。
インターネットが普及したことでできるトリックです。
もはや人は外に出て活動をする必要がないというメッセージにも取れました。
事件にもバーチャル空間の話がありました。
よく考えればS&Mシリーズ1作目の「すべてがFになる」でもバーチャル空間で会議を行っていました。
森博嗣先生の理想とする環境なんだと思います。
私も完全に同意です。
ドラえもんのポケットがあったら、という妄想をすることがあると思いますが、私は真賀田四季が実在したら、ということを妄想してしまいます。
本作の最後で犀川は真賀田四季への敗北を再確認してしまいます。
相手になっていなかった、と表現するほどです。
今後のシリーズで犀川は真賀田四季への執着度が増えていきますが、今作での敗北の経験が犀川を真賀田四季へ執着させることになったのでしょう。
今あとはVシリーズと四季シリーズです。一気に読み進めることをおすすめします。
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